夏の主役たち⑨卓球女子 2度の九州王者の経験を誇りと自信につなげた明豊 【大分県】

卓球女子団体の明豊は、九州新人に続き、全九州高校体育大会でも優勝した。九州王者の誇りと自信を胸に全国高校総体に出場する。全九州高校体育大会では準々決勝の鎮西学院(長崎県)のストレート勝ち以外は、全て接戦。決勝では宿敵・希望が丘(福岡県)相手にフルセットまでもつれたが3-2で勝利した。松本香織監督は「全国レベルで勝つためには課題だらけだが、粘り強くなった。守るだけでなく攻撃しながら接戦をものにできるようになった」と手応えを感じている。

エースは、個人シングルスで3位になった阿部愛未(2年)。どんな試合の前でも「自分らしさを全部出す」という気持ちで臨んでいる。左利きの阿部はその特徴を存分に生かす。左利きの選手が打つボールは右利きの選手の打つボールとは左右逆の回転になる。相手のフォア側に大きく曲がるサーブを有効に使い、積極的なレシーブで攻めた。「相手のポジションを見て、コースを変え、意表をつくことができる」と松本監督。全九州高校体育大会では団体、個人シングルス、ダブルスに出場し、タイプの異なる対戦相手と多くの試合を積めたことで、経験値は高まった。

エースの阿部愛未(左)と渡辺莉々子

2番手は渡辺莉々子(2年)。ラケットの表裏に異なるラバーを使用し、攻撃的なスタイルを特徴とする。ボールの回転の変化で相手のミスを誘い、阿部とともにポイントゲッターとして勝利に貢献した。3年生のキャプテン安里和華、145cmと小柄ながら勝負度胸が光る小関蒼乃は、チームをまとめる存在として欠かせない存在だ。

全九州高校体育大会の団体戦では出番がなかった1年生の中には、個人ダブルスで戸高彩夢(2年)とペアを組んで3位となった中川華帆など力のある選手も控えている。全国高校総体までの約1カ月、「メンバーを一度白紙に戻して、競争させる。勝つために必要な技の質、戦術、メンタルコントロールをもう一段階上げ、それぞれの長所を伸ばしたい」と松本監督。目標のベスト4に向けて、小関は「九州での2度の優勝の流れを全国で発揮したい」と九州王者の意地をのぞかせる。阿部は「チームの雰囲気はいいし、みんなで勝とうという意識が強い。試合が楽しみ」と心境を語った。

全国高校総体ではベスト4以上を目指す

(柚野真也)

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