米大手行、健全性審査問題なしでも資本計画は慎重姿勢維持か

Pete Schroeder

[ワシントン 24日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は26日、今年の銀行ストレステスト(健全性審査)の結果を公表する。対象の大手32行はいずれも十分な資本を有していることが示されそうだが、経済情勢や規制措置を巡る不透明感を背景に、資本計画は慎重な姿勢を維持する、というのがアナリストの見方だ。

昨年のテストでは、深刻な景気悪化局面に陥った場合、23行が合計で5410億ドルの損失を被るものの、それでも資本水準はFRBが設定した要件の2倍を維持できることが分かった。今年も想定の逆風度合いは同程度となっている。

FRBが提案している資本基準引き上げを柱とする規制強化を巡り、既に十分な資本があるので不必要だとして反対を表明している銀行業界は、今回のテスト結果を自分たちの主張を裏付ける材料として積極的に活用する公算が大きい。

ただ配当や自社株買いの「大盤振る舞い」は、資本基準引き上げが融資能力を妨げるという言い分の妥当性を損なう恐れがある。

レイモンド・ジェームズのアナリスト、エド・ミルズ氏は、業界の「規制強化反対運動」にストレステストが使われる可能性があると指摘した上で、この問題に決着がついていない段階では株主への資本還元はある程度抑制されてもおかしくないと付け加えた。

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