向瀧庭園(若松)国登録記念物に 二本松の藩校跡を史跡追加指定へ

写真上=北側廊下から見える中庭(向瀧提供)、写真下=発掘調査で建物跡などが確認された二本松城跡に隣接する敬学館跡(二本松市提供)

 国の文化審議会は24日、新たに「会津東山温泉向瀧(むかいたき)庭園」(会津若松市)を国の登録記念物(名勝地関係)に登録し、2007年に国の史跡に指定された二本松城跡(二本松市)について南側に隣接する「敬学館跡(藩校跡)」と「内大手地区」を追加指定するよう盛山正仁文部科学相に答申した。福島県教委によると、名勝地関係の登録は県内で初めて。

 会津東山温泉向瀧庭園は会津藩政時代の湯治場を継いで、明治時代に開業した旅館向瀧の庭園。

 敬学館跡は1817年、9代藩主丹羽長富(にわながとみ)の時代に整備された藩校で、戊辰戦争で焼失した。発掘調査の結果、明かり取りの道具「灯明具(とうみょうぐ)」が大量に出土した建物跡などが確認されており、敬学館の付属施設と考えられる。

 敬学館跡に隣接する内大手地区の調査では内大手門跡自体は確認されなかったが、幕末期の「二本松御城郭全図」から内大手門隣接地に該当すると考えられ、史跡を構成する土地として重要と認められた。

 三保恵一二本松市長は、07年7月に国史跡として指定された「内城地区」「大手門地区」との連携を深め、史跡の持つ本質的な価値の明確化を図る考えを示し「市民の貴重な財産であり、本市のシンボルである史跡二本松城跡のさらなる保護、保存、並びに活用を図っていく」とコメントした。

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