御利益願い色鮮やかに「おみか餅」作り 大分市で7月5日から「長浜さま」【大分県】

完成した「おみか餅」を手にする子どもたち=大分市長浜町の長浜神社

 【大分】県都の夏祭りのトップを切って開かれる大分市長浜町の長浜神社夏季大祭(7月5~7日)を前に23日、氏子らが神社で縁起物の「おみか餅」を作った。祭り期間中、色鮮やかな餅花約350本を境内で販売する。

 氏子でつくる「おみか餅保存会」のメンバーら約70人が集まった。アサガオに見立てた赤、黄、緑色の餅をネズミモチの木の枝に飾り付け、短冊も添えた。

 長浜地区の医療機関で看護師として働く毎熊梨帆さん(31)は、息子2人を連れて初めて参加。「地域の伝統に触れていい経験になった」と話した。長男の碧斗(あおと)さん(7)も「餅を触ったり、短冊を付けたりするのが楽しかった」と喜んだ。

 保存会によると、おみか餅は江戸時代、「おミカ」という女性が同神社に病気の治癒を祈願し、回復したお礼に餅花を供えたとの言い伝えに由来している。今年は1本千円で提供する。

 三浦賀一郎(かいちろう)会長(87)=大分市錦町=は「病気などで悩んでいる人が元気な姿で復帰できるように、と願いを込めた。これからも伝統を継承していきたい」と語った。

<メモ>

 祭りは期間中に雨が降ることが多いため「雨の長浜さま」と呼ばれる。みこしの巡行や神楽の奉納などがある。神社周辺は露店が並び、各日午後5時半~10時は歩行者天国となる。

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