「匿名性保証せずに救えない」慈恵病院の蓮田理事長が専門部会の検証報告書めぐり公開質問状【こうのとりのゆりかご】

熊本市の慈恵病院が運用する『こうのとりのゆりかご』や内密出産の匿名性をめぐり、病院は「最後まで匿名を貫くことは容認できない」と検証報告書を出した専門部会などに公開質問状を提出した。蓮田健理事長は「匿名性を保障せずに女性や赤ちゃんを救うことはできない」と述べた。

親の匿名性と子どもの出自を知る権利

『ゆりかご』の検証報告書では、その“匿名性”について第1期から2024年6月に公表された第6期まで一貫して子どもの人権などの面から「最後まで匿名を貫くことは容認できない」としている。

6月19日に慈恵病院の蓮田健理事長は「現場で混乱が生じている。改めて議論してほしい」としてゆりかご専門部会と大西熊本市長に対し「実親の匿名性を容認するか」など10項目について公開質問状を提出した。

蓮田理事長は「出自(を知る権利)のことを専門部会の委員の方は強く主張されるが、匿名性を保障せずに女性や赤ちゃんを救うことができるのか。果たして(女性に)接触することができるのか。“出自”のことについて目をつむっても、やむを得ない」と話し、2024年秋ごろ開催予定のゆりかご専門部会までの回答を求めている。

これに対して、熊本市こども家庭福祉課は「委員と相談しながら期限までに回答したい」としている。

(テレビ熊本)

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