「王者すぎませんか…」「不思議だね」藤井聡太竜王・名人、リーダー対決の佐藤天彦九段戦に完勝!敵も味方も呆気にとられる勝ちっぷり/将棋・ABEMAトーナメント2024

その完全勝利は、敵も味方も言葉を失わせるほどのものだった。将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2024」予選Cリーグ第2試合、チーム藤井 対 チーム天彦の模様が6月22日に放送された。両軍1勝1敗で迎えた第3局は、藤井聡太竜王・名人(王位、王座、棋王、王将、棋聖、21)対佐藤天彦九段(36)のリーダー対決に。絶対王者の藤井竜王・名人が手堅い指し回しで圧勝を飾ると、両軍の控室からは「毎回このパターン、不思議だね」「強いっすね…」の声が漏れていた。

【映像】藤井竜王・名人の完勝に対する羽生九段のリアクション

ともに1勝1敗のタイで迎えた第3局では、早くもリーダー対決が実現。藤井竜王・名人は「序盤戦の山場の一局。佐藤九段はこのルールでも非常にうまく指される印象があるので手強い相手かなと思っています」、佐藤九段は「(藤井竜王・名人は)高いレベルで安定していて、このルールでも高い完成度を示されている。横綱相撲をすると思うので、わかりやすい形の勝負にできれば」とそれぞれ警戒心をもって対局場へと向かった。

後手の佐藤九段の作戦はダイレクト向かい飛車。チーム天彦の控室では、山本博志五段(27)が「藤井さんがダイレクト(向かい飛車)相手にどういう思想なのか気になるよね」と興味津々の様子だった。藤井竜王・名人は穏やかな展開を選ぶと、じりじりとした中盤戦へ。両者深い前傾姿勢で繊細に読みを入れていた。3筋の交換から佐藤九段が踏み込むと、藤井竜王・名人は▲5三角と反発。互いに主張をぶつけ合い激戦へと発展した。

振り飛車がペースを握った展開かと思われていたが、チーム藤井の控室では、羽生善治九段(53)と青嶋未来六段(29)が「そうか、振り飛車が手を作らないといけないからこうやって神経を使うんですね」「そうか…」とモニターを注視。佐藤九段は手厚く先手の馬に狙いを定めていったが、銀を駆使した緩急自在の指し回しで藤井竜王・名人が抜け出してみせた。佐藤九段も技を駆使して絶対王者に食らいつくが、藤井竜王・名人は止まらない。▲3四歩の自然かつ強気の踏み込みにはチーム天彦の控室からも「うわー!本筋ー!王者すぎませんか!王者、王者って感じですね」「こういうスピード感なのか…」の声が上がった。

忙しくなった佐藤九段に対し、藤井竜王・名人は悠然とリードを拡大。佐藤九段も時間切迫の中で必死の粘りを見せたが、自然な手を重ねて後手を振り切り勝利。85手での完勝に、チームメイトの青嶋六段からは「自玉も堅いままだし…」と声が漏れると、羽生九段も「確かに!毎回このパターン!なんで毎回このパターンなんだろう。ほんとだね、不思議だね(笑)」と呆気に取られている様子だった。

この様子に、ファンからは「なんで毎回」「完封かよ」「チーム内でもw」「天彦がこんなにあっさり投げるの珍しいな」「毎回こうなるw」「羽生さん苦笑いね」「笑うしかねえw」「強いしか言えない」「いつのまにか勝ってた」と多くのコメントが寄せられていた。

◆ABEMAトーナメント2024 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり今回が7回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士11人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全12チームで行われる。予選リーグは3チームずつ4リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

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