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トイレの回数が多すぎると減給の対象になる可能性もある
「私はお腹が緩い体質で、一般的な人よりもトイレに立つ回数が多いです。先日、上司からトイレに立つ回数が多すぎると指摘を受けました。もしもサボりなら減給になる可能性もあるそうです。トイレに立つ回数が多いとはいえ、生理現象なのに減給は認められるのでしょうか?」と悩むAさん。
トイレの回数が多すぎると、業務が停滞したり他の従業員へ悪影響が及んだり、使用者(雇用主)からすると不都合が生じます。そのため、あまりにもトイレに立つ回数が多すぎると減給の対象になる可能性があります。
減給処分を受ける根拠としては、職務専念義務違反を問われる可能性が高いでしょう。上司から「職務に専念する義務を放棄した」とみなされた、端的に言うとサボっているとみなされるため、減給処分につながると想定されます。
使用者は「ノーワーク・ノーペイの原則」に基づいて、労働者が労働しなかった時間分の賃金を控除できます。今回は、トイレでサボっていると思われ、その時間分の賃金を控除される処分と考えられます。
しかし、トイレに立つのは生理現象である以上、トイレに立つことそのものが禁止されるわけではありません。トイレを禁止する命令は公序良俗違反となる点は押さえておきましょう。
トイレでサボっているわけではないAさんは、今後上司や勤務先とどのように向き合っていくべきでしょうか?
職場の理解を得られるような努力が欠かせない
上司からすると、一人だけ異様にトイレに立つ回数が多いと気になってしまうものです。また、ほかの社員から「Aさんだけ、やけにトイレに行っていて気になる。サボっているのではないか?」という相談を受けたのかもしれません。
今後も同じ職場で働きたい場合、Aさんは職場の理解を得られるような努力を行うとよいでしょう。必要に応じて、医師の診断書を提出して「お腹を下しやすい体質である」ことを理解してもらう方法が考えられます。トイレへ立つことの妥当性を理解してもらえれば、事態が改善する可能性があります。
また、そもそもお腹が緩いことを改善できれば、公私ともに過ごしやすくなるでしょう。そのため、必要に応じて医師などに相談することをおすすめします。
さらに、Aさん自身が日ごろから効率よく仕事を進めて高い生産性を発揮できれば、周囲や上司からの不満を封じられるかもしれません。自分のやるべきことをきちんとこなし、成果を出していれば「トイレに立つ回数」よりも「能力」を評価してもらえるでしょう。
もしAさんだけトイレへ立つ回数を制限したり、あるいは逐一報告するように求められたりした場合、パワハラに該当する可能性が高いと考えられます。精神的苦痛を理由に慰謝料請求を行える余地があるため、労働問題に強い弁護士への相談を検討するのも一つの手段です。
今の職場にいづらくなったら、転職を通じて自身の働きやすい環境を求める選択肢も考えられます。例えば、原則としてテレワークを導入している企業であれば、トイレへ立つ回数を指摘されることはありません。
自分自身の体質は簡単に変えられないことから、安心して働ける環境に身を置くことも検討しましょう。
まとめ
トイレに行くのは生理現象であり、回数やタイミングを制限されるべきではありません。しかし回数が多いと、場合によっては職務専念義務違反を指摘されるかもしれません。その場合、減給処分を受ける可能性があります。
上司からの理解を得るためにも、必要に応じて医師の診断書を提出するとよいでしょう。
ほかにも、日ごろの仕事できちんと成果を出すことも意識するのも良いでしょう。きちんと勤務時間内に自分のやるべきことをやれば、問題視される可能性を減らせるはずです。
出典
厚生労働省 労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー