東京都知事選、元宮崎県知事・東国原英夫が都民の皆さんに伝えたい3つの投票ポイントとは?選挙ドットコムちゃんねるまとめ

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2024年6月21日に公開された動画のテーマは「七夕決戦 東京都知事選注目ポイントは?」

東京都知事選が6月20日に告示。七夕決戦に向け、選挙戦の構図はどうなっているでしょう。東京都知事選を経験した、元宮崎県知事の東国原英夫さんに、主要候補者の横顔と、選挙戦の展望を語っていただきます。

政策に差別化が見られない場合の投票基準とは?

【このトピックのポイント】

  • 蓮舫氏の立候補は都民の選択肢を増やしたが……
  • 現職・小池都知事の「したたか」さ
  • 石丸氏と東国原氏の共通点「東京一極集中の是正」の本音は?
  • 都民の有権者はここを見て!3つの投票ポイント

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「蓮舫さんは都民の選択肢を増やした」東国原氏、元仕事仲間に2つの注文

東京都知事選に立候補したのは、過去最多の56人。

主要候補者のかたがたは以下の通りです。

  • 小池 百合子氏(東京都知事)
  • 蓮舫氏(元参議院議員)
  • 石丸 伸二氏(元安芸高田市長)
  • 清水 国明氏(タレント)
  • 田母神 俊雄氏(元航空幕僚長)

都知事選での、東国原氏の注目ポイントは。

東国原英夫氏「僕はね、蓮舫さんが出て、非常によかったと思います。好き嫌いは別として、小池さんだけだと一強になってしまう。東京都民の選択肢を増やすという意味で……ちょっと今回増やしすぎですけど(笑)」

その上で東国原氏は、蓮舫氏に対し2点指摘します。

ひとつは、切実さにやや欠けているのではないかという点。

東国原氏「蓮舫さんには、都知事選がダメでも衆院選がある、来年の参院選がある、という態度がちょっと見え隠れしてしまう。2016年の小池さんは、やはり背水の陣でしたよ。自民党に喧嘩を売って飛び出して、もうここで落選したらあとはないというところでやってましたからね。そのへんの覚悟度を、都民のみなさんはある一面で見ますね」

もうひとつは、首都の顔としてのキャラクター作りです。

東国原氏は、蓮舫氏が都知事出馬会見をした際、「反自民・非小池」と批判したことを、「参議院議員、国会議員である蓮舫のままのキャラクター。これは危険。首都のトップには、包容力や温かさが必要」と指摘します。

東国原氏のYouTubeチャンネルなどで「キャラクターを変えたほうがいい」と訴えたのが届いたのか、その後蓮舫氏には笑顔が見られるようになりました。

MC鈴木邦和「たしかに、この間の公約発表の会見でも、少し柔らかさが出たような気がしますね」

東国原氏は、過酷なロケを売りにしたバラエティ番組でともに仕事をした蓮舫氏とのエピソードを語ります。

東国原氏が2007年に県知事に就任した翌々日に、国会議員として初めて知事を訪れたのが、数年前に当選し、民主党の参議院議員になっていた蓮舫議員だったのだそうです。宮崎まで、なんとアポなしで……?!

東国原氏「アポなしで来やがって(笑)事務方が大変だったんですよ。『蓮舫さんが来られましたがどうしますか?約束はありませんが』って。そうこうしているうちに、知事室のドアがばっと開いて『よっ』って」

蓮舫氏を「面白いかたですよ」と目を細めて語る東国原氏は、「ようやく今回満を持して出馬した」とコメントします。

東国原氏「蓮舫さんは、衆院3補選、静岡県知事選、目黒区の都議補選などの流れをみて一矢報いることができると判断。国政の流れを左右する大事な決戦に資する状況になるという読みがあったのではないでしょうか」

受けて立つ、小池百合子都知事の「横綱相撲」感

続いては現職の小池百合子氏についてです。

東国原氏「まあ横綱ですね。百戦錬磨ですわ。したたかだなあ」

東国原氏は、小池氏の「したたかさ」のポイントを3つ示します。

ひとつ目は、蓮舫氏の立候補会見の際に「私は公務がありますから」とコメントをせずいったん引いた上で、一段落したあとに、ぎりぎりを狙っての出馬宣言したところ。

しかも、出馬会見はリモートで実施。「現代的でスマートだし、何よりフリーの記者の嫌な質問を避ける意図があったんじゃないか。非常に効率がいい」と頷きます。

2点目は「同時に、最近公務に専念されてるじゃないですか」とコメント。現職にしかできない、公務に専念する映像が報道されるのは「イコール、事実上の選挙運動になる」と指摘します。

東国原氏「狛江の防災訓練だとか……ああいうのを見せるじゃないですか」

3つ目は、非課税世帯に1万円分の商品券などを配布した「物価高騰対策臨時くらし応援事業」です。

東国原氏「急に、あんなのねえ、ふつうこのタイミングでするか?あれは公務なんですよ、東京都の政策なので」

東国原氏は「絶対選挙運動ではない」と強調しつつも、「我々プロから見たらうまいなあ、選挙運動だなあ、緑のたぬきだなあと思いますよ」と感嘆します。

MC鈴木は、8年前はチャレンジャーだった小池氏のディフェンス力について尋ねます。

東国原氏は、「2016年の背水の陣の戦い方は見事でしたね」と振り返ります。

まずは、「都議会の中にブラックボックスがある。自民党が政治を歪めている」と述べ、対立軸をはっきり打ち立てた点です。「二項対立で敵を作る手法は、小泉純一郎氏の真似が見事にハマった」と指摘します。

8年前の小池氏には、こんなエピソードもありました。

東国原氏「びっくりしたのは2016年、『私が都知事に当選したら、いちばん最初に都議会の解散をします』って。僕、椅子から転げ落ちましたね。はあ?って。この人は地方自治を知らないんだって」

しかし、「すぐ修正されて、勉強されたんだと思う」と、「風の読み方、自分の置き方、キャラクターの作り方だったは見事だった」と振り返ります。

その後、希望の党の件もありましたが「都政は議会の承認が必要。都議会を4年、8年回して、多数派を形成しないと政策が進まないことをよく勉強された」と評価します。

今回も「自民党、都ファ、公明党なしでは議会が成立しないことはわかっている」として、自民党を出さない戦略を取っていると分析します。

東国原氏「自民党をステルスにするんですよ。ステルスの応援って初めて聞きました。応援してるのどうなの」

MC鈴木「しかも自民党がステルスになる状況なんてなかなかないですものね」

「石丸さんは僕と同じ匂いを感じる」東京に一極集中の是正が必要な理由

次に名前が挙がった候補は石丸伸二氏。無所属ですが、東国原氏は「主要候補のひとり」とコメントします。

東国原氏は、石丸氏が初めのうち「東京一極集中の是正」を政策に掲げたことを「あっぱれ」と褒め称えました。

東国原氏「東京一極集中の是正は一番やらなければならないこと。国政も東京一極集中の是正をやってきた。結果がでなかった。地方が疲弊している」

東京一極集中の是正は、2011年に東国原氏が東京都知事選にチャレンジした時と重なります。

東国原氏「僕も地方自治体の首長をやって、東京を変えないと地方は変わらないという問題意識でチャレンジした。石丸氏は僕と同じ匂いを感じる。地方の姿勢で、地方の自治体をやって、地方の疲弊がよくわかったんだな」

「令和の東国原だ、がんばれ!」と応援した石丸氏ですが、いざ正式な政策レポートを見て「腰砕け……トーンダウンを感じる」と、渋い表情を浮かべます。

自身も都知事選で東京一極集中の是正を訴えた東国原氏。この問題を政策に掲げるのは「無理ですね。東京一極集中の是正を訴えた瞬間に落ちます」と断言します。

東国原氏「都民のみなさんにダウンサイジングをするわけですから。でもね、渋滞、混雑、過密、災害のことを考えてください。東京1300万人である必要はあるのかな、1000万人くらいでいいんじゃないですか?デジタル化、IT化で間違いなく成長できます」

東国原氏「公園などの空間を広げて過密を少なくするのは重要。居住環境にプラスに働く。名実ともに世界一の都市になる。木造密集地域が少しゆったりするだけでも、被害が軽減されます」

MC鈴木邦和「人口をドラスティックに落とすのでなく、適正化しようと」

ロンドンとか諸外国も取り入れている渋滞税なども「都民にそっぽを向かれます」と笑う東国原氏は、小池氏、蓮舫氏の政策にも「ちょっとパンチが効いてないなあ」と残念そうです。

東国原氏「小池さんも、蓮舫さんも行政が考えたマニフェストだなと。少子化対策はやらなきゃいけないんです。当たり前にやらなきゃならない、結果を出さなきゃならない。災害対策もそう。雇用対策だってそう。それにプラスアルファして、希望が持てる、夢が持てるような政策のパンチが足りない」

非正規雇用のケアを強化した蓮舫氏の政策は、「小池さんはちょっと弱かったからね」と評価する東国原氏。ただし、労働組合や日本共産党の意向が見え隠れしていることには注意を促します。

東国原氏「都知事選はまずは無党派層を取らないと勝てない。5〜6割が無党派層、流動人口。ここをどうつかむか。みなさん苦労されるのではないでしょうか」

都民は何を基準に投票すればいい?東国原氏が勧める3つのポイント

政策的な差異があまりないとすると、何を基準に都民は選べばいいのでしょうか。

東国原氏は、次のポイントを挙げます。

  • 政治とカネの問題
  • 好き嫌いと「安定感」
  • 都民の暮らしに対する危機感

まずは、蓮舫氏が主張した「政治とカネの問題」。国政だけの問題ではありません。「都議会議員の自民党会派にも裏金問題があった。都議会議員の問題でもあることは間違いない」と東国原氏は指摘します。

次は、感情の問題。東国原氏は「感情投票」というキーワードで説明します。

東国原氏「実績の問題と、小池さんの学歴詐称の疑惑、蓮舫さんの二重国籍の問題というようなこと。加えて見た目や話し方の好き嫌い」

好き嫌いに加え、「安定感も重要」だと指摘します。

東国原氏「安定感は投票行動として重要みたいですわ。現職というものは、これまでの実績に言及する。まずまず私たちの暮らしはよかったのかな、このままでいいのかなという安定感を感じるかどうか」

有権者が安定感を感じられなかった時、「都民がどこに危機意識を持っているのか」がポイントになります。

「危機意識は暮らしにある」と東国原氏はたたみかけます。

東国原氏「実質賃金が上がらない。東京都は16兆円の予算規模。110兆円くらいのGDP、マクロ経済もできる。実質賃金をどうやって上げていくかは重要な政策。都民はここを重要視するのではないか」

ほかに暮らしに直結する政策というと、防災対策、渋滞や混雑の問題、子育て政策などが挙げられそうですが……

東国原氏「小池都政、数年間の子育て政策は子育て世代に評判がいい。ここを変えていく、プラスアルファするのは非常に難しい」

MC鈴木は「安定感」というキーワードに注目します。

MC鈴木「例えば蓮舫さんや石丸さんが都知事になったとき、議会との関係が難しいと感じる。蓮舫さんであれば知事で与党を形成するのは難しい。石丸さんも安芸高田市で議会と対立してきた。都政の安定感という意味では?」

東国原氏は「非常に厳しい。苦労すると思います」と即答します。

東国原氏「蓮舫さんが勝ったら、自・公・都ファがいちいちいちゃもんをつける。それに、安芸高田市みたいに石丸さんが議員に『恥を知れ』といっても東京では聞かない」

東国原氏は「安定感でいうとね……小池さんがやっぱり……いやあ……頭ひとつ抜けてるかなあ。だよね」とつぶやきます。

なお、都知事選の争点が作りにくい最大の問題は、都の財政が潤っているという点に集約されるようです。東国原氏と、東京都議会議員経験のあるMC鈴木は、蓮舫氏が訴える「行財政改革」は、都民に刺さらないだろうと一致します。

東国原氏「東京都の選挙でいちばん難しいのはそこ!東京都民は東京が裕福なことをあまりわかってないけど、地方から見たらこんなに裕福なところはない」

たとえば大阪維新の会が熱烈な支持を獲得したのは、大阪が財政に大きな問題を抱えながら、地下鉄やバスの運転手のような現業職の平均給与が民間よりかなり高額だったことにあります。

東国原氏「大阪は財政ヤバい、その中で公務員がひどいお金の使い方をしていることが問題になった。東京都で行財政改革は一丁目一番地じゃないですわ」

たとえば、都庁などを活かしたプロジェクションマッピングの事業。都庁で16億円、ほかを含めると48億円にのぼる予算規模ですが、反対する人がいたとしても、「いいんじゃない」と言う人が多数ではないかと東国原氏はにらみます。

東国原氏「宮崎からしたらあんな無駄遣いないわ!48億円もあったら、子どもたち全員給食タダや。保育料から授業料ぜんぶタダにできますわ」

最後に、今回の東京都知事選で、立候補者数が今回過去最高となったことについて、東国原氏は「出過ぎは困ったなと思うけれど、選択肢が増えるのは肯定的」と前向きに捉えます。

NHK党のポスター枠「販売」行為に対しても、「誰もやらなかったことを突いてくるのはひとつの問題提起」と冷静に捉えます。

東国原氏「立花くんたちのチャレンジは、法が整備されていないということ。公職選挙法が変わる。デジタル化やIT化に変わるひとつのきっかけ」

東国原氏は、今回の都知事選が「選挙のあり方について問題提起をする場にもなりうる」と締めくくりました。

東京都知事戦は7月7日投開票。
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動画本編はこちら!

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