「現職場で定年」5割未満 やまぎん研、新入社員に意識調査

 「就職活動はさほど厳しくなかった」「仕事も個人の生活も大切にしたい」「今の会社で定年まで働きたい人は5割に満たない」―。やまぎん情報開発研究所(山形銀行)による意識調査で、こうした本年度の新入社員の実情が浮き彫りになった。管理職になりたくない人も増え、若者の意識は時代とともに急速に変化しているようだ。

 就職活動の感想を尋ねると、「大変厳しかった」は15.1%、「厳しかった」は30.1%だった。一方で「それほど厳しくなかった」は34.4%、「順調だった」は19.4%になり、あまり苦労しなかった人は53.8%に上った。空前の人手不足により、就職戦線が売り手市場になっていることを表す結果だ。

 働くことへの考えを聴いたところ、「仕事も大事だが個人の生活も大切」は前年度比3.9ポイント上昇の59.5%になり、仕事とプライベートを両立したい人は年々増えている。その半面、「働きがいがあれば仕事の苦労をいとわない」は2.7ポイント低下の17.1%で、達成感や給与など得られるものが大きくても、仕事上の苦労はしたくないと考える新人も増えている。

 会社との関係では、「定年まで働きたい」は男性が2.3ポイント低下の47.0%、女性が6.2ポイント低下の34.2%。「機会があれば転職したい」は男性が1.8ポイント低下の11.4%だったが、女性は1.4ポイント上昇の15.8%になり2年連続で増加した。

 「管理職になりたい」と思う人は男性が3.1ポイント低下の40.6%、女性が11.6ポイント低下の22.0%。「なりたくない」は男性が3.8ポイント上昇の20.5%、女性が10.0ポイント上昇の36.0%で、管理職の責任を遠ざける傾向は強まっている。

 調査は同行主催の新入社員研修会参加者338人を対象に実施し、299人から回答を得た。回答率は88.5%。

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