北村山、感謝の単独出場へ 夏の高校野球県大会

3年ぶりに単独チームで全国高校野球選手権山形大会に出場する北村山高の選手たち=尾花沢市・同校グラウンド

 7月12日に開幕する全国高校野球選手権山形大会に北村山高(尾花沢市、大山建一校長)硬式野球部が3年ぶりに単独チームで出場する。2022、23の両年は、部員数不足で4校による連合チームを組んだが、単独出場を熱望する部員の懸命な勧誘活動が結実。新たな仲間を加え、ワンチームで初戦突破を狙う。

 同高は2010年に同大会、秋季県大会で8強入りするなど力を誇ったが、生徒数減少もあり、現在の本部員は1~3年生の4人。3年の佐藤希琉(きりゅう)主将(17)は「学校の名を背負い最後の夏を戦いたい」と昨年から直接勧誘を続け、今年3月に部員間で単独出場を決断。新入生1人が入部し、現2、3年生7人も助っ人として名乗りを上げた。

 守備重視の練習を重ね、春季県大会のシードを決める4月のブロック大会で公式戦も経験した。初戦で南陽に0―24のコールド負けを喫したが、佐藤主将は「野球ができることは当たり前じゃない。仲間や支えてくれる人に感謝している」と実感を込めて語る。

 硬式テニス部の3年樋渡聖(ひじり)さん(17)は、年明けから練習に加わった。小学校の時から遊びで野球に親しみ、硬式球にも「怖さはない」という。球児として臨む最初で最後の夏に「一緒に野球ができて良かったと思ってもらえたら、うれしい」と献身を誓う。

 3月の遠征に甲子園での選抜大会観戦を組み入れ、戦う意識の醸成を図った阿部佳弥監督(33)は「経験不足を結束力で補えるか。最後まで諦めない姿を見せたい」と意気込んだ。

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