【韓国ドラマ】ロマンス群像劇『ハッピーニューイヤー』見どころ解説〈中編〉ハン・ジミン演じるヒロインの長年の恋の行方は?

『ハッピーニューイヤー』(C) 2021 CJ ENM CORP., HIVE MEDIA CORP. ALL RIGHTS RESERVED

Netflixなどで配信中の『ハッピーニューイヤー<TVシリーズ>』は、韓国で2021年に制作された映画が元になっている。未公開シーンをたくさん入れた拡張版のTVシリーズ(全6話)として再び構成されて、配信と同時に人気を集めた。

この作品では高級ホテル「エムロス」を舞台にして14人の登場人物たちの「人生の岐路」を描いているが、今回の記事では、ハン・ジミンが演じるソジンにスポットを当ててみよう。彼女は「エムロス」のマネージャーを務めている。(以下、一部ネタバレを含みます)

■『ハッピーニューイヤー』ハン・ジミン扮するヒロイン、15年間好意を寄せていた相手に……

ソジンが15年間も好意を寄せていたのが、ラジオプロデューサーのスンヒョ(キム・ヨングァン)だ。彼からのプロポーズを期待する気持ちがソジンの中にはずっとあった。しかし、告げられたのは、思いがけない結婚の報告だった。スンヒョはピアニストのヨンジュ(コ・ソンヒ)と婚約したのだという。

ソジンからすれば、「寝耳に水」だった。しかし、ソジンはスンヒョの前では動揺を見せなかった。それが、彼女なりの矜持であった。

それにしても、スンヒョの鈍感さには呆れるしかない。ソジンほどの女性と15年間もそばにいながら、プロポーズどころか、突然の結婚発表で不意打ちをくらわせるとは……。男の風上に置けない、と当方も書き手を忘れて憤慨してしまう。

それはともかくとして、ソジンはご丁寧にヨンジュに付き合って「スンヒョへのプレゼント購入」のアドバイスに精を出している。心境は相当複雑だっただろうが、ホテルのマネージャー職の習性なのか、顔には不快感を微塵も見せない。それでも、ショップの店員が「スンヒョとソジン」のほうを新婚カップルと間違えたときは、さすがのソジンも虚しさをマックスで感じたことだろう。

さらには、スンヒョの鈍感な頼みごとが続く。ヨンジュに贈る指輪をケーキの中に隠しておく、という韓国で古典的なサプライズを依頼される。この件は、サプライズに好意的に反応したヨンジュに救われたが、失恋したソジンにしてみれば、傷口に塩を塗るようなことを平気でやってくるのがスンヒョの性格なのかもしれない。

それは、スンヒョがソジンのことを頼り切っている、ということの表れか。しかし、男女の恋愛感情がそこにはなかった。15年も、こんなに素敵な女性がすぐそばにいたというのに……。

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ここで書いていることは男性目線の感じ方なのだが、女性の読者はどう感じるのだろうか。一度ぜひ聞いてみたい気持ちもするが……。

なお、ソジンを職務上で悩ますのが、迷惑な宿泊者のジェヨン(カン・ハヌル)だ。彼は公務員試験に落ち続けて恋人にもフラれて絶望していて、ホテルで自殺願望的な行動を取っていた。なんとかジェヨンに思いとどまってもらおうと、ソジンは監視を怠らず、演出的な仕掛けも試みていた。このあたりの対応を見ていると、ソジンがいかに有能なマネージャーであるかがわかる。彼女は、宿泊者に最良の時間をホテルで過ごしてほしい、と常に配慮しているのだ。

そんな彼女も、「15年間、好きな人に告白できなかった」ことを悔いる気持ちが強くなってきたときに、ついに大晦日を迎えてしまった。

果たして、ソジンにとって本当の「ハッピーニューイヤー」が来るのかどうか。物語はいよいよ佳境に入っていく。

●作品情報

『ハッピーニューイヤー<TVシリーズ>』

[2022年/全6話]監督・脚本:クァク・ジェヨン『猟奇的な彼女』 脚本:ユ・スンヒ

出演:ハン・ジミン、イ・ドンウク、カン・ハヌル、ユナ、ウォン・ジナ、イ・ヘヨン、チョン・ジニョン

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