30年前に見た光景にショックを受け… 北谷町の男性、毎月寄付を続け3年目に 食品など総量は400キロ超

 沖縄県北谷町の津嘉山栄一さんは13日、ひとり親世帯や子どもたちへの支援として沖縄市社会福祉協議会に生活物資を寄贈した。2022年6月から寄贈を始め、今回で25回目。インスタント食品やティッシュペーパー、菓子など寄贈した物資は総数2千個、総量は400キロを超える。津嘉山さんは「子どもたちを救わないと沖縄は良くならない」と訴えた。

 津嘉山さんは同市に住んでいた約30年前、近所の公園で母親と小さな子どもが水道からバケツで水をくんでいたのを目にし、「自分も貧しかったがそれよりも貧しい人がいるのか」とショックを受けた。仕事のため県内各地に住んだが、とりわけ同市が経済的に厳しいと感じたという。

 「当時の自分は何もできなかったが今は余裕も生まれて支援できるようになった」と語る。同市社協がコロナ禍対策で食糧提供を呼びかけていたことを知り、22年6月から月1回の寄贈を始めた。市社協フードバンク事業担当の伊差川厚太さんは「渡した時にいつも感謝の言葉をもらう。子どもでも簡単に調理できるインスタントやレトルト食品はとても助かる」と感謝した。

 津嘉山さんは「困っている人はいつ来るか分からない。毎月届ければ物資が尽きることもない」と毎月寄贈する理由を話し、「自分の活動に賛同して協力してくれる人が一人でも多く増えてほしい」と呼びかけた。(仲本雄哉通信員)

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