県1合併 関連議案を承認 8JAが総代会、和歌山

 和歌山県JAグループによる、県内八つのJAを一つにする「県1JA」の合併について、22日に各JAが一斉に総代会を開き、いずれのJAも関連議案を承認した。4日に合併契約調印式をしており、来年4月1日に全県域を地区とする新組合が誕生することになった。全国では7例目の県1JAとなる。

 合併は合理化・効率化で経営基盤を確立し、県農業の振興などを図ることが目的。合併するのは「わかやま」「ながみね」「紀の里」「紀北川上」「ありだ」「紀州」「紀南」「みくまの」の8JA。

 合併経営計画書では、新JAの名称を「和歌山県農業協同組合」とし、本店は和歌山市(県JAビル)に、支店などは被合併組合の現事務所に置き、経営組織は最高の意思決定機関として総代会を設置し、本店に組合長や副組合長など、地域本部に地域本部長を置くこととしている。

 果樹や野菜、花きを中心に全国有数の販売高と知名度を生かした品目、産地間リレーなど「オール和歌山」で販売を強化。専門知識の高い品目専門指導員の配置や、営農指導員を増員するなどし、販売取扱高600億円の産地を堅持すると掲げる。

 新組合誕生に向けて、今後は各JAで選ばれた設立委員によって、新組合の定款の作成などを行っていくという。

 「県1JA合併」の関連議案を承認したことについて、JA紀南の山本治夫組合長は「JA紀南としては、もう少し時間をかけて協議したい思いがあったが、他のJAと足並みをそろえざるを得ない状況もあった。新JAが、農業や地域を守っていけるように最大限努力したい」と語った。

■ひょう害支援に1億円 JA紀南が積立金

 JA紀南は本年産の梅のひょう害への支援として、2023年度の剰余金のうち1億円を被害支援対策の積立金に充てることとした。具体的な支援策については、今後、理事会で決定する予定。

 3月20日に降ったひょうで、梅の実に当たり、傷が付くなど大きな被害が出た。管内では梅栽培面積の9割に当たる2180ヘクタールで被害を受け、被害額は約12億6千万円。農家は選果に苦労し、全く秀品を出せない農家もいるなど、秀品率は3分の1くらいになる見込みという。

 そうした中、同JAに梅を出荷している農家を対象にした支援対策積立金を設けることにした。22日にあった総代会で、積立金を盛り込んだ剰余金処分案を提案し、承認された。

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