「史上最悪の都知事選」あまりのカオスに都民絶望、小池氏・蓮舫氏には脅迫文書も

言葉を交わす小池氏と蓮舫氏(写真・時事通信)

史上最多となる56人が立候補した東京都知事選(7月7日投開票)。東京都選挙管理委員会が事前に用意した48人分の掲示板では間に合わず、苦肉の策としてクリアファイルにポスターを入れて掲示してもらうなどの混乱が発生したが、貼り出されたポスターの多くは都知事選とは無関係な内容ばかり。

なかには女性の全裸写真、女性専用風俗の広告、有料サイトへ誘導するQRコード、動物のイラストなどもあり、警視庁が都の迷惑防止条例で掲示者に警告する事態も起きた。NHK党はポスター枠を1カ所2万5000円で販売もしており、もはや、何の選挙だかわからないカオスに陥っている。

元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏は、6月24日に出演した『めざまし8』(フジテレビ系)で、「民主主義の政治って有権者のレベルにあってくるわけで、こういうことが、ある意味、今の都民の民主主義のレベルだということを、都民がしっかり受け止めて、最後は有権者が判断すればいい」とうんざり顔だった。

さらに同日、全国の知事からも苦言が寄せられた。

「全国知事会長の村井嘉浩宮城県知事は、記者会見で『選挙は民主主義の根幹。ふざけた、人をばかにしたようなものはよくない』と語りましたが、鳥取県の平井伸治知事は県議会で『いかがわしいサイトに誘導したり、24枚も同じポスターを張ったり、これのどこが選挙運動なのか』と辛辣に批判しました。

群馬県の山本一太知事は、20日の記者会見で『本音を言うと蓮舫知事は見たくない。国会議員活動を見てきたが、ひたすら批判、批判、批判だった』と、知事選ではあまり聞かれない『個人批判』を語って驚かれました」(政治担当記者)

そして24日には、小池百合子氏と蓮舫氏が脅迫されていることがわかった。

「報道によると、小池氏の関係先に『小池百合子に硫酸をかけて失明させる』『選挙事務所を爆破する』などと書かれたファクスが届き、蓮舫氏の選挙事務所にも『硫酸を手に入れた。立憲民主党の議員と家族にアタックする』と書かれたファクスが送られてきたということです。いずれも海外から送信されたようです」(週刊誌記者)

こうした状況をベテラン政治記者は「報道されるのは破廉恥ポスターや誰が誰を無視したかなどで、政策論争は深まっていません。都知事選の歴史でもっとも醜悪な選挙です。このままでは誰が都知事になっても消化不良感が残ってしまいます」と語る。

SNSにも

《今回の都知事選、史上最悪って伝説になりそうだわ》

《政見放送見てると歴代最悪の都知事選になりそうな予感》

《都知事選きつすぎる あと何週間もこんな醜悪なものを見させられるのか》

《品格も何もあったものじゃない、史上最悪の都知事選》

など「最悪」の文字が目立っていた。政治の劣化に、都民の絶望は止まらない。

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