北朝鮮、ことし5回目の「汚物風船」散布…ソウルにまで進入=韓国報道

北朝鮮が24日から再び韓国側に「汚物風船」を送り込んでいる。

合同参謀本部は24日、国防部の担当記者団に配布したメールを通じて、「北朝鮮が対南汚物風船とみられる物体を再び打ち上げている」と発表し、「現在の風向きは北西の風で、キョンギ(京畿)北部地域から南東方向に移動中」と明らかにした。

合同参謀本部は「国民は積載物の落下に注意し、落ちた風船を発見したら触らずに近くの軍部隊や警察に通報してほしい」と呼びかけている。

この汚物風船はソウル上空にまで進入している。ソウル市は「北朝鮮の汚物風船がソウル上空に進入したことを確認した」と発表し、「市民は積載物の落下に注意し、発見したら接近せずに軍部隊や警察に通報してほしい」と市民に安全案内メールを送信した。

北朝鮮のキム・ヨジョン(金与正)労働党副部長は21日の懇談会で、韓国の脱北民団体が20日に北朝鮮にビラを散布したことに触れ、「明らかにするなと言ったことをまたしたので、しなくてもいい仕事が増えるのは当然だ」と汚物風船を送ることを予告していた。

北朝鮮が汚物風船を韓国に向けて送ったのはことしに入って5回目だ。北朝鮮は先月28日から今月9日まで合計4回にわたり汚物風船を韓国側に打ち上げた。韓国軍は今月9日、北朝鮮に向けての拡声器による放送の再開で北朝鮮の汚物風船散布に対応したが、その後は拡声器を稼動させていない。

一方、統一部はこの日「北朝鮮が散布した汚物の分析結果」と題された参考資料で、北朝鮮の生活実態の露出を防止するために作成されたごみが多数発見されたと明らかにした。

統一部によると、汚物風船には一定の大きさの廃紙・ビニール・切れ端などでできた、いわば「散布用ごみ」が入っており、ペットボトルの場合、ラベルや瓶の蓋などを除去して商品情報の露出を防止した痕跡が見られた。

また、生地を重ねて作った手袋やマスクなど、北朝鮮の住民の深刻な生活難を示す「生活必需品ごみ」も多数発見された。このほか、2000年から北朝鮮に衣類を送り支援してきた韓国の洋服ブランドの布切れと、金正日と金正恩を偶像化する文書の表紙が廃棄されたものも見られる。

© エイアイエスイー株式会社