【速報】中国の月探査機「嫦娥6号」地球帰還 月の裏側からのサンプルリターンは世界初

中国国家航天局(CNSA)は2024年6月25日(日本時間・以下同様)、月の裏側で採取したサンプルを搭載した月探査機「嫦娥6号(Chang’e 6)」の帰還機が地球へ帰還することに成功したと発表しました。月の裏側からのサンプルリターンは世界初となります。【最終更新:2024年6月25日15時台】

【▲ 中国・内モンゴル自治区に着陸した月探査機「嫦娥6号」の帰還機。中国国家航天局(CNSA)と海南衛視のライブ配信から(Credit: 国家航天局新闻宣传中心, 海南卫视)】

嫦娥6号はCNSAによる月探査ミッションの無人探査機です。地球からは直接見ることができない月の裏側に着陸して周辺の観測を行うと同時に、スコップとドリルを使用して約2kgのサンプルを採取し地球へ持ち帰るサンプルリターンを目的としています。

嫦娥6号は2024年5月3日に打ち上げられて5月8日に月周回軌道へ到達し、6月2日には上昇機を載せた着陸機が着陸目標地点であるアポロ・クレーター(Apollo、アポロ盆地とも。直径約524km)南部へ着陸することに成功。2日後の6月4日にはサンプルを収めた上昇機が月周回軌道へ戻り、さらに2日後の6月6日には待機していた周回機とドッキングして、上昇機から周回機に搭載されている帰還機へとサンプルを収めた保管容器を移し替えることに成功したと発表されていました。

CNSAによると、嫦娥6号の周回機は着陸機とのドッキングから13日間待機した後に月周回軌道を離れて地球への帰路に着きました。南大西洋上の高度約5000kmで周回機から分離した帰還機は2024年6月25日14時41分頃に大西洋上空で大気圏に再突入し、所定の高度まで降下した後にインド洋上空で一旦大気圏外に出てから2回目の再突入を行い、同日15時7分に内モンゴル自治区四子王旗の所定のエリアへ着陸することに成功しました。帰還機は必要な処理を終えた後に北京へ空輸され、サンプルの保管容器と搭載物を取り出す作業が行われるということです。

嫦娥6号については最新情報が発表され次第お伝えします。

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  • CNSA – 嫦娥六号任务圆满成功实现世界首次月球背面采样返回

文・編集/sorae編集部

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