硬式野球「宮城ジュニア」発足1年で国際大会へ 仙台・広瀬川の河川敷から世界狙う

広瀬川河川敷のグラウンドで打撃練習に励む選手たち

 仙台市太白区東郡山の広瀬川河川敷をホームグラウンドにする硬式野球の中学生チーム「宮城リーグジュニア」が26日、韓国で開かれる国際大会に日本代表として初出場する。チームは世界大会を目指し、練習に一層力を入れている。(スポーツ部・千葉耀介)

[リトルリーグ・ジュニア部門]硬式球を使用するリトルリーグの中で、12~14歳を対象とする。リトルの「シニア」や「ボーイズ」など他団体とは異なるルールがあり、投手の球数制限や登録選手全員が打順に入る「全員連続オーダー制」などを採用する。世界大会に向けた日本地区予選は本年度始まった。

 1~3年生の12人が手作りのバッティングゲージで木製バットを振り、シートノックでは果敢に打球に飛び付く。国際舞台を控え、練習は熱を帯びる。
 「つらい練習もある。それでも、みんなで世界を目指して野球をできることが何より楽しい」。山口歩士(あゆ と)主将(14)=利府町しらかし台中2年=は笑顔で語る。
 チームは昨年10月、県リトルリーグ野球協会(仙台市)が新たに「ジュニア部門」として立ち上げた。関係者のつてで確保したグラウンドは当初、草が生い茂り、野球どころではなかった。保護者やボランティアが草刈りや石拾いに汗を流し、有志から道具を譲ってもらい、練習環境を整えた。
 中軸を任される中嶌(なかじま)優太選手(14)=同2年=は「いろんな人がグラウンドを整備してくれて、やりたい野球ができることに感謝したい」と話す。
 今年5月、関東や新潟などの6チームが参加して埼玉県内で初開催された日本地区予選を勝ち抜き、国際大会「アジアパシフィック・中東リトルリーグ野球選手権」の出場権を得た。
 発足して1年足らずの快挙に、関係者の喜びもひとしお。郷家聖恵(せい え)監督(50)は「日本地区予選は3試合全てで逆転勝ち。われわれも驚くほどの集中力を発揮してくれた」とたたえる。
 チームは8月に米国で開かれるワールドシリーズ出場を目標に、アジアパシフィック・中東選手権の優勝を目指す。

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