【関西弁】新天地への転勤・異動で「方言がわからない」ビジネスで使われる「通じづらい関西弁」10選

関東VS関西、平均年収の金額差は14万円

2024年度が始まり、2ヵ月半が経過しました。

年度替わりのタイミングで転職したり、異動したりなど、新しい職場で働きはじめた方も、少しずつ今の環境に慣れてきた頃ではないでしょうか。

なかには、遠方へ引っ越した人もいるかもしれません。住まいや人間関係だけでなく、住み慣れた土地から離れることによる心細さやストレスもあるでしょう。

今回は、そんな新天地で困ったことランキングをみていきます。そのなかで挙げられた「関西弁」に注目し、ビジネスの場面で通じにくい表現を10選まとめてみました。

記事の後半では、関東と関西の「年収差」もチェックしていきましょう。

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【転勤・異動・転職】新天地で「困ったこと」ランキング

株式会社ビズヒッツが公表した「新天地で困ったことに関する意識調査」の調査結果によると、新天地で困った経験の詳細が判明しました。

【写真全2枚中1枚目】新天地への転勤・異動・転職で困ったことランキング。2枚目では、日本の平均年収がわかる一覧表を掲載。
  • 1位:人間関係の構築
  • 2位:仕事を覚える
  • 3位:土地勘がない
  • 4位:職場のルールがわからない
  • 5位:引越しの手続き
  • 6位:新生活に慣れない
  • 7位:方言がわからない

なかでも3位「土地勘がない」などは、外回りだけでなく出勤・退勤にも直結する事項といえるでしょう。

本記事では、7位にランクインした「方言がわからない」というトラブルに注目。

次の章からは、ビジネスの場面で使われる通じづらい「関西弁」を10種類紹介します。

ビジネスでも使う関西弁:なおしといて

共通語では「修正・修理」という意味で使うことが多い「なおす」。

関西でも修正を頼むタイミングで用いることはありますが、それ以外にも「元の場所に戻しておいて」「片付けておいて」という意味で使うケースもあります。

転職や異動で関西に来たばかりの頃は「どこも壊れていないように見えるんだけど、どこを直せば良いんだろう」と困惑した経験がある人も少なくないようです。

ビジネスでも使う関西弁:ほっといて

関西弁では「ほっといて」を「捨てておいて」という意味で使う場合があります。

しかし、困ったことに共通語では「そのまま放置しておいて」と取られることが多い言葉。慣れないうちは、認識のズレが生じることもあるのだとか。

「この書類ほっといて」と言われたままに放置しておいたところ、しばらくして「なぜ書類を置いたままにしているのか」と、尋ねられた人もいるそうです。

ビジネスでも使う関西弁:テレコ

「テレコ」は「互い違い」「あべこべ」「食い違い」といったニュアンスで使われます。

一説によると、もともと歌舞伎用語だった「テレコ」。2つの脚本を関連性を持たせながら交互に上演する上演形態を指していたそうです。

関西以外の地域だと使用頻度はグッと減るようで、遠方から関西へ転職・異動してきた人のなかには「あまりに普通に使われているので、意味を聞いてよいか迷った」という経験者もいました。

ビジネスでも使う関西弁:なんしか

「なんしか」は「とりあえず」「なんにせよ」「とにかく」などの意味で使われる関西弁。

「なんしか、あの部署に書類持ってって」のように用いられる場面があります。

「あの部署まで持っていくことはわかったけど『なんしか』ってどういう意味だろう」などと思いながら働いていた人も少なくないかもしれませんね。

ビジネスでも使う関西弁:えらい

共通語では「賢い」「偉い」というポジティブな印象が強い「えらい」という言葉。

一方、関西弁だとそれ以外に「とても」「大変」「疲れた」など、さまざまな意味で用いられる場面があります。

関西に来たばかりの頃はどういう意味で「えらい」を使っているのか判断できず、会話がうまく嚙み合わなかった経験がある人もいるようです。

次の章から、さらに5つ紹介していきます。

ビジネスでも使う関西弁:いらう

「いらう」は、「触る」という意味合いの関西弁。

一説ではもともと「弄う(いろう)」という古語だったものが変化して「いらう」になったとも考えられています。

ビジネスシーンや職場でも「この書類、いらわんといてな(この書類触らないでね)」のように使われることがあります。

ビジネスでも使う関西弁:あんじょう

「あんじょう」は「上手に」「具合よく」といった意味の関西弁です。「あんじょうやりや(うまくやってね)」というように使います。

異動して間もない頃は意味がよく分からず、なんと「愛知県にある安城市のことかと勘違いした」という人も。

関西のなかでも、とくに大阪・京都において世代が上の方によく使われているようです。

ビジネスでも使う関西弁:行きしな/帰りしな

「行きしな」は「行く途中」、「帰りしな」は「帰る途中」という意味合いの関西弁です。

関西以外にも中四国や東海など、西日本を中心とした広い地域で使われています。

ビジネスでも使う関西弁:かんにん

「かんにん」は「ごめんなさい」「失礼しました」といったニュアンスで使われる関西弁。

怒りに耐えて相手の過ちを許すことを意味する仏教用語「堪忍(かんにん)」が語源と考えられています。

「かんにんな」「ほんまかんにんやで」など、関西の職場でも耳にした人もいるでしょう。

ビジネスでも使う関西弁:自分(二人称)

共通語では、自分自身を指す一人称として使う「自分」。関西では、相手を指す二人称として「自分」を使う場面もあります。

慣れない間「『自分』だと会話の流れがおかしい」と混乱した人も少なくないようです。

こうした地域性があらわれるのが、日本語のおもしろいところ。こうした地域性・県民性はお金の面でも顕著なのでしょうか。

次の章からは、関東と関西の年収事情を比べてみました。

日本の平均年収はいくらか

国税庁「民間給与実態調査統計」によると、日本の平均年収は以下のとおりです。

全体・男女別「平均給料・手当」金額の一覧表
  • 平均年収:458万円
  • 男性の平均年収:563万円
  • 女性の平均年収:314万円

昨年の金額(446万円)に比べて2.7%の伸び率を記録しています。

内訳を見ると、男女で比較すると年収に差が見られます。

【関東エリアと関西エリア】手取り年収と中央値を比較

では、関東と関西で手取り年収の平均値、中央値はいくらなのでしょうか。

金融情報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」によると、手取り年収の平均値、中央値はそれぞれ以下のとおりでした。

  • 【関東】手取り年収の平均値:601万円、手取り年収の中央値:500万円
  • 【関西】手取り年収の平均値:587万円、手取り年収の中央値:500万円

手取り年収の平均値は、関東が関西よりも14万円多くなっています。一方、中央値はどちらも500万円でした。

おおよその人の年収は関東と関西であまり変化がないともいえます。

年収は、業種や職種などにも左右されるもの。もちろん、その人の努力によるところも大きいでしょう。

「言葉の壁」を感じる場合には早めに解消し、ストレスなく業務にあたりたいものですね。

分からない方言があれば「職場の同僚」「地元の知人」に尋ねてみよう

慣れない方言で、さらに早口で話しかけられたとき、何を言っているのか聞き取れないこともあるでしょう。

実際、お客様に聞かれたことにすぐ答えられなかったり、会議で発言しにくいと感じたりした経験がある方もいるかもしれません。

方言が分からないときはそのままにせず、思い切って職場の同僚や近所の方に尋ねてみるのもひとつの手段です。

あらかじめ使い方や意味を把握しておくことで、仕事中はスムーズに会話ができるようになるでしょう。

方言には独特のニュアンスを含むものや、面白い由来があるものもたくさん! 現地の言葉に親しみながら、新しい場所でも充実した時間を過ごしてみてくださいね。

参考資料

  • 株式会社ビズヒッツ「【新天地への転勤・異動・転職で困ったことランキング】男女168人アンケート調査」(PR TIMES)
  • 国税庁「令和4年分 民間給与実態調査統計」

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