【岡山理科大学】好適環境水による陸上養殖、山本准教授に全国ネットのテレビ取材相次ぐ

テレビ局の取材を受ける山本准教授(左)

好適環境水を使った岡山理科大学の陸上養殖研究に対する全国ネットのテレビ局の取材・放送が相次いでいます。2023年11月8日にTBSの情報・報道番組「THE TIME」で放送されたのに続いて、今年に入ってから6月21日のテレビ東京「ガイアの夜明け」まで立て続けに6件の番組の取材が続きました。

放送内容は主に、好適環境水を開発した理大生命科学部生物科学科の山本俊政准教授が出演し、好適環境水の説明から陸上養殖の特徴、これまで成功させた陸上養殖の魚種、現在、取り組んでいる研究などを解説する形です。長時間にわたる山本准教授の密着取材もありました。
研究拠点としている岡山キャンパスの生物生産教育研究センターは、35㌧水槽4基と140㌧水槽1基と濾過(ろか)装置などを備え、ニホンウナギなどを養殖。他の中小の水槽ではアカウニやカキ、ブラックタイガーなどの養殖も行っています。取材時、山本准教授が「この水槽の水は1年半以上、交換していません」と話すと、取材スタッフは一様に驚いていました。

取材が相次いでいることについて、山本准教授は「研究を始めた約20年前には見向きもされなかったので、隔世の感です。やっと時代が追い付いてきてくれたという思いです」と感無量の様子。
続けて、「水産物生産で2022年に初めて養殖漁業が天然漁業を上回りましたが、養殖漁業も赤潮など数多くの問題を抱えています。そんな中で、電気と水さえあればどこでも、宇宙でも養殖が可能なのが、好適環境水による陸上養殖です。成長速度が海水と比べて格段に早いうえ、完全閉鎖循環式なので安心・安全です。水もめったに換えないので、環境にもやさしい」と注目を集める背景に言及します。
今後については「地熱や温泉熱、発電所の余熱など地域の事情に合った安価なエネルギーを利用して生産し、地域経済の発展につなげていければ」と話しています。

学生たちと一緒にタマカイを試食しながら取材を受ける山本准教授(左端)

報道でも紹介された研究成果の一部を紹介します

35㌧水槽で養殖されているニホンウナギ
大学近くのスーパー「グランドマート津高店」では定期的に「おかやま理大うなぎ」が販売されています
宮崎県都農町で順調に養殖が進んでいるタマカイ
タマカイの鍋セット。年内にはふるさと納税の返礼品として活用される予定
世界初の陸上養殖による事業化に成功したベニザケ(2023年7月)
ベニザケは福島市内のスーパーで試験販売されました(2023年7月)

岡山理科大学

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