イモリが狙う卵 守るのはクロサンショウウオ 産卵直後の行動を西川町でカメラが捉える

山形県の準絶滅危惧種に指定されているクロサンショウウオ。生息地と知られる西川町で年間2日ほどしか見ることができないという産卵直後の珍しい行動をYBCのカメラが捉えました。

6月4日、西川町志津温泉の先にある県立自然博物園です。広大なブナの森、まさに緑のトンネルを歩く月山トレッキングコースは、雪解けが進み、様々な草花が見ごろを迎えていました。

可憐な山野草が咲くトレッキングコースを歩いていると…。

県立自然博物園倉本かおりさん「ふわふわ浮いているのありますよね。あれがクロサンショウウオの卵なんです。白い卵塊の中に何十個と卵が入っていて卵塊の中でかえって出てくる」

水たまりの中で白い塊になって見える奇妙な物体。クロサンショウウオの卵です。この塊の中にさらに小さな卵が30個ほど入っています。産卵直後の卵は、全体で1センチほどですが、水を含むと大きく膨らむということです。

県立自然博物園倉本かおりさん「木の枝にお腹をこすりつけているのがおそらくメス。ぺたっとくっついている」

雪解けが早かったためかクロサンショウウオの産卵期はことし、例年より10日ほど早い5月下旬に始まりました。しかし、その卵を狙う黒い影が…。

県立自然博物園倉本かおりさん「生んだばっかりの小さい卵をイモリが食い付いています。お腹が赤いのがイモリでクロサンショウウオが追い払おうとしているけどイモリの食欲の方が勝っているかもしれない。オタマジャクシのように子どもの間は水の中で過ごして大人になると森に上陸して森の湿った所で生活するようになる」

卵の周りに陣取るのはクロサンショウウオの雄。卵を守っています。こうした行動が見られるのは年間でわずか2日程度だといいます。7月初旬には卵がふ化する予定で、県立自然博物園では、「大切に見守ってほしい」ということです。

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