雄大な山脈や原生的な自然あふれる“日高山脈襟裳十勝国立公園”誕生 北海道では37年ぶり7か所目の指定…日本一の面積を持つ国立公園

日本一の面積を持つ国立公園が、北海道内に新たに誕生しました。

標高2052メートル、“日本百名山”の一つ、日高山脈の最高峰「幌尻岳(ぽろしりだけ)」です。

北海道日高地方と十勝地方にまたがる、この雄大な自然を保護するために、25日、国立公園に指定され「日高山脈襟裳十勝国立公園」が誕生しました。

南北140キロに及ぶ日高山脈。新たな国立公園は13市町村に及び、24.5万ヘクタールと国内最大の面積を誇ります。

国立公園の指定は、国内では35か所目。北海道内では、1987年に「釧路湿原」が指定されて以来、7か所目となります。

日高山脈には、氷河期の痕跡とされるU字状の谷「七つ沼(ななつぬま)カール」などの独特な景観や、エゾナキウサギや国の天然記念物シマフクロウなど、希少な動物も生息しています。

国立公園には2015年、世界ジオパークに認定された様似町のアポイ岳なども含まれます。こうした山脈の雄大さや原生的な自然が、広範囲で残っていることが評価されました。

環境省は今後、自治体や自然保護団体などによる協議会を設置し、環境保全と登山者の利用を議論していくということです。

■《北海道内の国立公園》
そもそも“国立公園”は【日本を代表する優れた自然風景】のある地域が指定されるんですが、今回の「日高山脈襟裳十勝国立公園」で、北海道内の国立公園は7か所目となります。

北海道にはほかに、どんな国立公園があるかというと、次の通りです。

・「利尻礼文サロベツ」
・「知床」
・「阿寒摩周」
・「釧路湿原」
・「大雪山(だいせつざん)」
・「支笏洞爺」

そして、北海道内の国立公園には、今回誕生した「日高山脈襟裳十勝国立公園」が新たに加わりました。

国内最大の国立公園ですが、どんな見どころがあるんでしょうか。

■《「日高山脈襟裳十勝国立公園」の見どころ》

日高山脈の最高峰【幌尻岳】は“日本百名山”にも選ばれてる山です。

そして【アポイ岳】は“世界ジオパーク”にも認定されていて、特有の高山植物が見られる場所でもあります。

また【豊似湖(とよにこ)】は、日高管内唯一の自然瑚で、上空から見るとハート型に見えることで有名です。

今回の指定で、周辺自治体も、その経済効果に期待していますが、こんなデータもあります。

■《年間利用者数》

国立公園に指定される前の、公園の利用者数ですが、1998年の152万人をピークに、年を追うごとに減少し、2022年は25万人となっています。

観光客を増やすには、どう魅力を発信するかがカギとなりますが、新たにできた国立公園が、道内を代表する観光地になるか期待したいですね

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