【試合詳細】6・21 実家プロレス 佐藤光留実家大会 佐藤光留vs髙木三四郎

『佐藤光留プロデュース興行 ニコプロpresents~実家プロレス』
日程:2024年6月21日(金)
開始:13:00
会場:岡山・佐藤光留実家
観衆:抽選で当選した5人+大会スポンサー2人

▼新太平洋運輸株式会社/RYSKパートナーズ/デッドリフ太郎presents シングルマッチ 時間無制限1本勝負
△佐藤光留
34分22秒 両者KO ※光留母の肌着を使った攻撃の相打ち
△高木三四郎

前代未聞の実家プロレスの結末は佐藤光留の実母の下着攻撃で両者KO!「突拍子もないことを思いついて実現する次の世代が現れることに期待します」

前代未聞プロレスラーの実家という極めて特殊なシチュエーションで『佐藤光留プロデュース興行 ニコプロpresents~実家プロレス』が開催。“
数多くの生観戦希望者のなかより厳正なる抽選によって選ばれた5人と大会スポンサー2人を加えた7人の歴史の目撃者たちが見守る中で、佐藤光留と髙木三四郎の死闘が繰り広げられた。

オープニング

試合開始に先立ち本興行の主催者である佐藤光留より、実家でプロレスを開催するに至った経緯の説明が行われた。

佐藤「本日はニコプロpresents人類史上初実家プロレスご来場まことにありがとうございます。本大会は、今年の4月休業を宣言した髙木三四郎となんとか自分のホームで闘おうというところが発端で始まりました。もともと昨年の12月31日の全日本プロレス代々木大会でDDTとの対抗戦が組まれ、リングの中に入ろうとした髙木三四郎を、『何をいってるんだ、リングの中なんかでプロレスやっちゃだめじゃないかと、そう教えてくれたのはあなたですよ』という気持ちを込めてずっと場外に連れ出していたら試合が終わった。あそこから決着をつけなければばというところでこの実家プロレスがスタート。その間新幹線プロレスとか僕がDDTに上がることもあったんですが、結局髙木さんも名前がある人とたくさん試合しなければいけないと。なかなかレギュラーで参戦した自分とパッと試合をする機会がなく。これはもう俺のホームでと考えたあかつき、そもそも俺のホームってどこだ?全日本プロレスはいらん金を取られる。それは避けたい。かといってハードヒットに呼ぶ? パッとしない・・・インディージュニアに呼ぶ?髙木三四郎はジュニアなのか?いろいろ考えた結果、ホーム、ホーム・・・ホーム?ホーム!実家に呼ぶことが成功しました。スケジュールを聞いたらこの日しか空いていないということだったので、明日ジョシュ・バーネットの興行で両国に出るんですけども、そのことをタクシー運転手に言ったら『本気ですか?』って言われました。もちろん本気です。この間エル・デスペラード選手の興行に出たときデスペラード選手に解説席で「この人に本気じゃない試合はない」と、嬉しいことを言ってもらえました。非常にありがたいことだったんですが、実家に来るとちょっと親に対して横柄な態度で話してしまったり、私自身も何かアウェー状態ではございますがそれも含めて人類史上初実家プロレス開催してみたいと思います。ちなみに本大会の模様は、動画以外はすべてフリーです。料理を作るのにわざわざお手伝いの人を呼んでいますが、その人に関してはこれから何が起こるかまるで聞いていない。その人の画像も全然あげて大丈夫です。おそらく岡山県でツイッターやってるのは5人位しかいません。なので安心して写真撮ってあげてください。あと近所の個人情報だけは、配慮してください。逆に言えば、それ以外はすべてフリーです。好きにしてください。どうせ築100年なくなる家だと思うんで。トイレは家の中入って奥です。試合中でも構わないんで。途中で体調悪くなったら寝るとこもあります。本当に始まってしまいます。それでは最後まで楽しんでください」

メインイベント

試合開始は室外の庭兼駐車スペースから。
勝手口から佐藤光留が入場したあと玄関口から髙木三四郎が入場。ブロック塀の上でファイヤーポーズ。
スペシャルレフェリーとしてサプライズ登場の米山香織と佐藤の両親交え試合前玄関口で記念撮影。両雄がっちりと握手を交わしゴングの代わりにすりこぎで鍋が打ち鳴らされ試合開始。

ロックアップから押し合いは髙木が勝ってブロック塀を背にした佐藤の胸板に張っていく髙木。
いったん離れリストの取り合い。髙木が佐藤をヘッドロックに捕らえフライングメイヤーからグラウンドに移行するが、マットも敷いていないコンクリで寝技の続行は困難。起き上がりざま髙木が佐藤にガットショットも、佐藤が髙木をブロック塀に叩きつける。倒れこみ亀になった髙木の背中に佐藤がストンピング。髙木を引っ張っていって植え込みにぶち込む。怒りの髙木が反撃開始。佐藤の胸に張り手したあとあたりを見回し植木ばさみを手にすると、佐藤は鬼瓦で受け止めて、髙木の頭に鬼瓦バット。ふらつく髙木がホースを掴んで佐藤に放水も、水量が少なく、ならばとホースを佐藤の体にぐるぐる巻きつけ亀甲縛り。

身動き出来ない佐藤に刷毛で乳首責め、腰元帯回しでホースを解いてカバー。カウント2でキックアウトした佐藤が髙木を門扉でサンドイッチ。勢いあまって路上に出た髙木を「俺の小学校時代の通学路を汚すな」と押しとどめ家の敷地内に戻す佐藤。両雄駐車スペースで激しく張り合う。髙木が再びの乳首責め。洗濯ばさみを両方の乳首に挟みカメラマンのスーツケースの角で佐藤の頭部を強打。植え込みでもつれあううち松葉を手にした髙木がまたも佐藤の乳首を攻撃。執拗な乳首責めにイタ気持ち良くなってきた佐藤の動きが鈍ってきたのを良いことに髙木がやりたい放題。家族は誰も野球をしないというのになぜか庭に落ちていた硬球を拾って佐藤にストライクを浴びせると、拾った風鈴を佐藤の耳元で鳴らして謎のヒプノセラピー。
遠ざかる意識をなんとか引き戻した佐藤が闘いの場を室内へチェンジ。

佐藤が日ごろ大ファンと公言する広末涼子のポートレートが貼ってある部屋で髙木が佐藤の私物を次々取り出して晒したあと、食事の支度中の台所へと乱入。もみあいながら納屋を抜けて裏庭へ。
元は畑をやっていたという広っぱで髙木が佐藤を捕らえてチンロック。映えるシャッターチャンスを逃さず観客が取り巻いて写真撮影。
夏空の下でプロレスラーが体じゅう草まみれになりながら転げまわるという牧歌的光景が続いたあとで我に返ったファイターたちが神棚のある室内でぶつかり合う。佐藤が髙木にケンカキックからエルボー打ちつつ仏間になだれ込むと、突然髙木が「これは運命だ」と言い出し、佐藤がレフェリー米山の過去の黒歴史を蒸し返す。

「知ってる?米山香織引退中断事件。もうね、引退ツアーやって、いろんな人を巻き込んで後楽園ホールで最後の10カウントゴング6で、やっぱり引退したくないですうって・・・。」

当時DDTに参戦していた佐藤が、後楽園で一部始終を目撃した髙木と米山の件で盛り上がったという話から、あれからまさかこの3人で実家で相まみえるとはと感慨にふけるそぶりの佐藤。髙木におもむろに「本当にまた戻って来たらよろしくお願いします・・・オラアッ!」と油断させておいてガットショット。

仏間を抜けて居間で佐藤を待ち受ける髙木。そこへ、タンスから母親の下着を両手に携え戻っていた佐藤。
互いに顔面に下着を押し付け合い、樟脳と煩悩の香りを吸い込み昏睡状態に陥り両者ダウン。そのまま起き上がれず鍋が打ち鳴らされ、34分22秒に渡った死闘の幕が降りた。

我に返った髙木が開口一番、佐藤に謝辞を述べた。

髙木「ハードヒットっていう自分の城を守り抜いて、きょうもまあ、はっきり言ってハードヒットプレゼンツみたいなもんだよこの野郎。だからそれに出れて俺は嬉しかった。本当に、守ってくれてありがとう。本当に感謝!君に渡して良かった。ハードヒットを。ありがとう。」
これを受けて佐藤も「この僕がハードヒットやってるのは、いまだに僕がDDTから旅をしてるっていう意味なんでまたDDTに出たら返り討ちしてやります。ありがとうございました!」と返礼した。

<試合後コメント>
髙木三四郎
――本日は遠路はるばる西日本までご足労いただきありがとうございました。休業前に佐藤選手と肌を合わせて(昨年12月31日全日本代々木大会で佐藤に場外に連れ出されリングイン出来なかった)溜飲は下がりましたか?
「もともとは佐藤光留君はDDTでプロレスの王道を歩み始めたと思っているので、そういう意味ではDDTの遺伝子みたいなものは彼の体に残っているんだろうなと思いました。肌をあわせてみてすごい感じましたね。きょうどれを見ても良かったじゃないですか。楽しくて。人の家でこんだけプロレスをやったのは小学生以来です」

――プロレスで岡山県にいらしたことは?
「プロレスで来たことは何回かありますが、実家ってのは初めてです。ここが佐藤光留のアイデンティティ、生まれ育った場所なんだと。お父さんもお母さんも素晴らしい」

――プロレスラーとしては7月21日を以て無期限休業宣言されましたが、休業とおっしゃってますが引退とはおっしゃっていないので、いつかリングに戻ってくると期待してよろしいのでしょうか?
「もちろんです。必ず戻ってきます。体調面をしっかり戻して。僕は生涯現役です」

――最後にファンの皆さんにメッセージをお願いします。
「実家であえて言う。佐藤光留は本物の変態だった!親も聞いてるだろ!だからそんな変態と休業前に闘えて俺は嬉しかった。ありがとう!」

佐藤光留
――木原文人チャンネルにご出演した際、風呂なしアパートでムカデに添い寝されプロレスで食えず女装で憂さを晴らしていた時代に髙木さんの目に留まり、そこからブレイクしたと・・・。
「それが契機でブレイクは話はしょりすぎだろ!」

――でもきっかけを作ってくれたのは髙木選手ということですね?
「昔若いころにパンクラスでも言われたのは実力もない癖にあんなの(女装)で目立ちやがってって言われるのが当時はそれが嫌だったんです。憂さ晴らすために女装してましたけどもしパンクラスで連戦連勝でも女装してたと思うんです。弱いのに目立ちやがってって言われるのが嫌だったんです。でも結局あれが引っかかりって言われたけどちゃんと引っかかるんだなと。まさかあれで15年位経って自分の実家で髙木三四郎さんと米山香織さんとプロレスをやることになるとは思いませんでした。何が起こるかわからないです」

――休業前に髙木選手を実家に呼びたかった?
「実家じゃなくホームに呼びたかったんです」

――闘いを終えてファンの皆さんにメッセージをお願いします。
「あるわけねえだろ!(笑)俺はこの異常さをメッセージで伝えるんじゃなくて。プロレスってそれ自体がメッセージなんで。それを修飾するマイクや決めセリフなんかなくたって本当は成立するんです。変な話あるほうが盛り上がるし。僕が伝えたいこと、伝わらなくて良いんで。みんなが思ったこと、それ以外何もないんで。正直な話髙木さんが休業に入って、僕が今年来月44歳になって。別に僕と同じことをしろとは思いませんが、とっぴょうしもないことを思いついて実現する次の世代が現れること、それだけは期待します。僕はそいつを呼んで実家で叩き潰してやります。そこは生存競争なんで」

食事会

闘い終わればノーサイド。佐藤の両親より心づくしの手料理が振る舞われ、佐藤、髙木両選手と共に、幸運な7人の参加者は高級旅館の夕食メニューの如き豪華な刺身とちらし寿司に舌鼓を打ちながらプロレストークを楽しみ、アットホームな余韻に後ろ髪引かれつつ多幸感に包まれて佐藤の実家を後にした。

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