PFASの健康影響否定できず 食品委、発がん性「証拠限定的」

有機フッ素化合物(PFAS)(京大の原田浩二准教授提供)

 内閣府の食品安全委員会は25日、発がん性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)の健康影響について、国として初となる評価書を決定した。出生時の体重低下やワクチン接種後の抗体低下との関連は「否定できない」とした。健康影響に関する知見はまだ少なく、発がん性については「証拠は限定的」と評価するにとどめた。

 環境省はこの評価書や、現在進めている水道水の全国調査の結果も踏まえ、代表的なPFOAとPFOSの合計で1リットル当たり50ナノグラムとしている水道水や河川の暫定目標値の見直しを議論する。

 人が1日に摂取する許容量は2物質についてそれぞれ体重1キロ当たり20ナノグラム(ナノは10億分の1)とした。

 健康影響を巡り、米国の学術機関はPFAS7種類の合計が血液中で1ミリリットル当たり20ナノグラムを超えるとリスクが増すと指摘。世界保健機関(WHO)傘下の研究機関は、PFOAの発がん性評価を引き上げ、4段階中で最も高い「発がん性がある」グループに分類した。

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