八甲田でクマに襲われ80代女性が死亡 二次被害警戒 救助活動も慎重に/青森市

25日朝、八甲田でタケノコ採りをしていた80代の女性がクマに襲われ亡くなりました。相次ぐクマ被害に専門家は「人がおいしいものを持っていることをクマが学んでいる」と指摘します。

25日午前8時半すぎ、青森市荒川の八甲田の地獄沼近くでタケノコ採りをしていた、青森県むつ市の80代の女性がクマに襲われました。女性は山中で意識不明の重体という情報が入りましたが、警察や消防はすぐに救助に向かうことができず…。クマによる二次被害を防ぐためです。

5月、秋田県鹿角市でクマに襲われた男性を搬送しようとした警察官2人が、同じくクマに襲われたという事例を受けての対応です。

警察と消防は、酸ケ湯温泉近くの駐車場に現地対策本部を設置し、山中に取り残された女性の救助に向けて準備を進めます。

動きがあったのは、被害からおよそ4時間が経過した午後0時半ごろ。

【福代隼士アナウンサー】
「タケノコ採りをしていてクマに襲われたとみられる女性は、まだ山中に取り残されています、猟友会の人が先に山中に入るということです」

【猟友会突入】
「(発砲)パン!パン!」

警察や猟友会などが、およそ20人態勢で救助のため山中に入りました。そして…。

【福代隼士アナウンサー】
「今、クマに襲われたとみられる女性が救助された模様です」

女性は午後2時ごろに救助され、救急車で搬送されましたが、その後死亡が確認されました。

【青森県猟友会東青支部 小野素志副支部長】
(Q.現場の状況は)「かなり急な上り道で、やぶの中に(女性が)倒れていたので、見つけるのに時間がかかった」
(Q.女性の様子は)「担架に乗せるとき反応は全くありませんでした」

【登山客】
「山は怖いですよね」

【登山客】
「ルートによってはちょっと怖いね」
(Q.山登りで気を付けていることは)「人ができるだけ行くようなところを(選んでいる)」

被害があった場所の周辺では、クマの目撃が相次いでいました。21日には石倉岳登山口付近で、タケノコ採りの女性が体長およそ1メートルのクマに襲われ、右足を引っかかれる大けがを。

翌22日には硫黄岳付近で、タケノコ採りの女性がクマに遭遇し、持っていたおにぎりを奪われました。

いずれも、25日に女性が襲われた場所から3キロほどのところです。

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