【絶対にやめて】飲酒運転の危険性をVRで疑似体験 「安全確認が全くできない…」酩酊状態の視界を記者が体感

アフターコロナを背景に飲酒運転の検挙件数が増加傾向にある。飲酒運転の危険性について、思わぬ事故を引き起こす危険性をVRゴーグルを使って疑似体験した。

基準値の5倍を超えるアルコール検出

2024年4月、岡山市北区の県道で大型トラックが対向車線にはみ出し、軽乗用車に衝突する事故が発生。軽乗用車を運転していた28歳の女性が死亡した。軽乗用車は原型をとどめていなかった。

大型トラックの運転手は酒に酔った状態で運転、基準値の5倍を超えるアルコールが検出された。

酒を飲んで運転するのがどれほど危険なのか。記者がVRゴーグルを使って交通事故を疑似体験した。まずはほろ酔い運転を体験。だいたいビール(中びん)1~2本飲んだ状態だ。

出発して間もなく「一方通行です。逆走しています」と機械から指摘が。体験した記者は「ちょっと焦点が合いづらい、標識もかなりぼやけて見える」と、視界の様子を説明した。

すると、車は横断歩道を渡ろうとする歩行者に気付かず、はねてしまった。

次に、中びんビールを4本以上飲んだ“酩酊(めいてい)状態”を体験。ほろ酔い状態よりも「視野が非常に狭くなり、焦点も全く合わない」と話す記者。視界はぐらぐら揺れ、何重にもなって見える。安全確認が全くできない状態だ。

水島警察署交通課・朝原健課長は飲酒運転について、「運転に必要な認知・判断・操作全ての能力に悪影響を及ぼし、大変危険」と強調する。

大切な人の顔を思い浮かべて…

岡山県内で発生した飲酒運転による人身事故はコロナ禍を除くと、年間40件余り発生している。2024年に入ってからも5月末までで既に18件発生していて、3人が死亡している。

朝原課長は「感覚的に飲酒運転は全然減っていない。朝方、昼間にも発生している。普段はしないような場合でも酒の影響で事故を引き起こす可能性が高まる。大切な人の顔を思い浮かべ、その人が飲酒運転の被害に遭ったらと想像し、飲酒運転は絶対にやめてほしい」と改めて訴えた。

夏はイベントなども多く、外出や旅行先で飲酒の機会が増えます。
「きょうだけなら」と軽い気持ちでハンドルを握る、その行為の代償ははかり知れない。

(岡山放送)

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