『高知に戻って正解』55歳で高知にUターン 独学で農業を営む男性に密着【高知】

今回の特集は55歳で高知にUターンし、独学で農業を始めた男性です。

香南市野市町で農園を営む男性の思いに密着しました。

香南市野市町にあるトウモロコシ畑。梅雨の晴れ間に行われたのは、収穫体験のイベントです。

この日は家族連れが訪れ、旬を迎えたトウモロコシを手でもいだあと、皮を剥いでそのまま生でかぶりついていました。

初めて開かれたこの収穫体験のイベントには、男性のある思いがありました。

香南市野市町の「旬彩ファームやまさき」は広さ9000平方メートルで、年間を通して旬の野菜を約10種類栽培しています。

今とれるのはトウモロコシで、もうすぐ収穫時期を迎えるのが栗かぼちゃ。冬の時期にはブロッコリーやニンジンなどが育てられます。

ファームを営む山崎勝士さん(58歳)は作付けごとに土壌を調査し、野菜ごとに肥料の割合を調整して最適な土壌で栽培しています。

また、トウモロコシは減農薬栽培。そのほかの野菜はすべて化学肥料や農薬に頼らない有機農業で育てられていて、ファームの野菜は甘味があっておいしいと地域で評判です。

実は山崎さんが農業を始めたのは2021年のことで、ファームを始めてまだ3年目。

それまで農業とは全く違った道を歩んできました。

父親の転勤で幼少期を県内各地で過ごしたという山崎さん。高校は高知学芸高校に進み、高校卒業後に上京。不動産業や大手金融機関の再編事業などに携わり充実したキャリアを過ごしていましたが、55歳の時にセカンドライフを高知県で過ごそうとUターンを決め、独学で農業を学びました。

山﨑さん

「今までと違うことがしたかった。農業は人の命を支える。だからこそ、最も根本的なものに携わりたかった」

この日、山﨑さんが企画したのがトウモロコシの収穫体験です。地域の新たな交流の場になればと初めて開催したもので、地域の人や家族連れなど約10人が参加しました。

トウモロコシを生のままかぶりついた子どもたちは、その甘さにビックリした様子でした。

地域のつながりを大切にしたいと始めた、この収穫体験。

山﨑さんのトウモロコシ畑には笑顔と歓声が広がり、初めてのイベントは大成功に終わりました。

山崎さん

「想像以上に楽しんでもらえた。高知に戻って正解。これから地域に貢献したい」

旬彩ファーム山崎の収穫体験は7月7日まで毎週金、土、日の午後4時半から開催されています。

山﨑さんは今後ほかの野菜でも収穫体験を企画し、地域の活性化につなげていきたいとしています。

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