子どもの熱中症対策 学校に「冷凍庫」や「自動販売機」を設置 東海地方ではユニークな対策も

メ~テレ(名古屋テレビ)

子どもの熱中症対策が必要な季節です。この地方の小学校や中学校では、ユニークな熱中症対策をしている学校があるんです。

25日の東海地方は、朝から雲の多い空模様となりました。 最高気温は名古屋市で30.3℃、田原市は今年最高の30.2℃でした。 愛知県の大村知事は、熱中症対策をするよう県民にメッセージを発表しました。 「保護者・地域の人たちには、子どもたちが健康で安全に過ごすことができるよう、ご配慮をお願いします」(愛知県 大村秀章知事)

子どもの熱中症対策は?

名古屋市内で、子どもの熱中症対策について聞きました。 「あまり日が出ない午前中から外で遊ぶっていうことと、こまめに水分をとるようにしています。あと涼しくなるように、首に冷たいものを巻くようにしています」(1歳児の母) 「日焼け止め塗ったり、暑いので帽子かぶせて、水分とって外に出るようにしてます」(0歳児の母) 「2歳の子は水とかお茶とか、こまめに飲むようにしてて。ベビーカーの子は、保冷剤などひいて冷たくしてます」(2歳児と0歳児の母)

熱中症対策として「冷凍庫」が設置

一方、三重県川越町の小学校では、24日から町立小学校の全29クラスに、“熱中症対策”として設置されたのは「冷凍庫」です。 この冷凍庫、いったい何に使うのかというと―― 登下校の際に、児童が使う「冷却用ネックリング」や、ランドセルと背中の間に入れる「冷却パッド」などを保管するためのもの。 これまで「冷却グッズ」を冷やす場所がなく、下校時には使えないことが課題でした。 川越町によると、小学校に“熱中症対策用の冷凍庫”が設置されるのは、三重県内で初めてだということです。

中学校では初めて「自動販売機」が設置

また、名古屋市中川区にある八幡中学校では今年、名古屋市立の中学校では初めて自動販売機が設置されました。 「去年、生徒たちが体育祭や文化祭の準備をしているときに、『持ってきたお茶では足りない。自動販売機があったらいいな』と、昨今非常に暑いので、やはり必要かなと」(八幡中学校 高橋幸夫校長) 生徒たちは、熱中症対策などのために、自動販売機を設置したいと署名活動などを行いました。 市の教育委員会の許可も得ることができて、設置されたんです。 販売されているのは、水やお茶、そしてスポーツドリンクにビタミン炭酸飲料まで様々です。

飲み物の種類を巡り、心配事も…

熱中症対策として効果がある飲み物ですが、この飲み物の種類をめぐって、ちょっとした心配事もあるそうなんです。 「マッチ(ビタミン炭酸飲料)が、1番売れています。『マッチ』1本で45gの砂糖が入っている」(高橋校長) 熱中症対策に適している経口補水液も販売されていますが、味が薄いと生徒からの人気はいまひとつ。 変わりに、スティックシュガー15本分にあたる量の糖分が入る飲み物を選ぶ生徒が多いといいます。

売れているのはジュース

実際に気温と飲み物の売れ行きの関係性について、自主的に調査する生徒に話を聞くと。 「『マッチ』が私たちの学校で1番売れているんですけど、3日間で35本売れていて、この頃は気温が高くなっていた」(調査を行う 高知希さん・3年生) 生徒の調査でも、やはり売れているのはジュース。 適度に糖分を取るのは、体のエネルギー源として必要ですが、糖分の取りすぎは心配です。

必要に応じて飲み物を

自動販売機運営委員会のメンバーは、あらためて自動販売機の正しい使い方や熱中症対策について、プレゼンを行うため準備を進めています。 「スポーツドリンクには糖分が多く含まれているので、日常的に多く飲み過ぎると、糖尿病などの生活習慣病につながる可能性があります」(自動販売機運営委員会) まずは自宅からお茶を持ってきたうえで、必要に応じて飲み物を購入してほしいと呼びかけるつもりです。

生徒の自主性を高める役割も果たす

「タイミングに合わせた飲み物をとったり、飲みすぎ注意など。自分でちゃんと管理できるようにしてほしいというのを、伝えたいです」(自動販売機運営委員会 大矢心夏さん・2年) この自動販売機、熱中症対策だけでなく、生徒の自主性を高める役割も果たしていました。

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