放火事件あったアパート、火元とは別の部屋に女性遺体 広島市安芸区、県警が関連を捜査

2階の一室が全焼したアパート。女性の遺体は2週間余り後に1階左端の部屋で見つかった(4月24日午後9時53分、広島市安芸区)

 広島市安芸区のアパートの一室で5月中旬、60代の女性の遺体が見つかっていたことが25日、広島県警への取材で分かった。捜査関係者によると、死因は一酸化炭素中毒。このアパートでは、4月下旬に別の部屋で火災が発生し、今月、火を付けて一室を全焼させたなどとして住人の男が逮捕されている。県警は女性が死亡した経緯について、火災との関連を慎重に調べている。

 火災は、4月24日夜に安芸区中野東6丁目の木造2階建てアパートの2階の一室で発生し、部屋が全焼した。県警によると、女性は1階の別の部屋で一人で暮らしていた。火災が発生した当日、女性の部屋は施錠されており、警察や消防の問いかけなどに部屋の中からは反応がなかったという。身内の了解を得て5月中旬、部屋に入ったところ、女性が遺体で見つかったという。

 火災を巡り、県警は今月21日、2階の隣室に住む男性方に侵入してライターで火を放ち、部屋を全焼させたとして住人の無職男(60)を現住建造物等放火と住居侵入の疑いで逮捕し、送検している。全焼した部屋に住む男性は当時、外出中だった。現場はJR山陽線中野東駅の東約800メートルの住宅地。

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