最愛の息子を失って約16年…金沢のアパートで22歳男性が殺害された未解決事件 解決を願う両親の思い

金沢市内のアパートで当時22歳の男性が殺害された事件は犯人逮捕に至らないまま明後日で16年が経過します。特集は事件解決を願う両親の思いを取材しました。

加賀市の橋本さん夫妻。最愛の息子を失ってから16年の月日が経とうとしています。

父 橋本充史さん:
「大きくなってお酒が好きで一緒に飲みに行ったしそれが僕も楽しみだったから。一緒に飲めないのがさみしい」
母 橋本真由美さん:
「本来なら結婚して子どもができて清勝の子どもを抱っこしてあげられるくらいの年齢になってたのにそれが出来なかった。」

橋本清勝(はしもと きよかつ)さん、当時22歳。

橋本さんは当時住んでいた金沢市久安2丁目のアパートで何者かに後頭部を何度も殴られ殺害されました。

父・充史(あつし)さんと母・真由美(まゆみ)さんは毎年、事件現場周辺に立ち情報提供を呼びかけていますが現在も犯人は見つかっていません。

充史さん:
「なんで清勝がこの事件に巻き込まれたのか。なぜこんなことになったのか分からないままこのまま来てます。犯人捕まったら分かるであろうけどもけど捕まっても清勝は帰ってこないし。」

当時、印刷会社の契約社員として働いていた清勝さん。勤務態度を認められ上司から正社員に誘われていたところでした。

充史さん:
「亡くなった後に上司から正社員にならないかって…」

大切にしていたバッグや免許証…清勝さんの物は今でも大切に保管しています。

真由美さん:
「私は私が先にもしも清勝のところに天国に行くことになったらその時に一緒に持たせてほしいとそれまでは絶対においておく」

県警はこれまでにのべ5万1000人の捜査員を投入。おととしには現場のアパートで目撃された男の似顔絵を公開し情報提供を呼びかけています。

この日は、清勝さんが当時訪れていたスーパーで聞き込みを行いました。有力な情報は得られませんでしたが、少しでも手がかりが集まればとチラシを貼ってもらうことにしました。

捜査員:
「今だから言えることとか当時噂流れなかったけどあとから噂が流れてきたとかそういう情報もくまなく聴取して本当に少しの情報を集めたいと思っています。点と点が繋がれば一つの線になる可能性もある。」

男の似顔絵を公開してから2年。これまでに45件の情報が寄せられましたが犯人逮捕には至っていません。なぜ、これほど捜査が難航しているのでしょうか。

県警捜査一課 宗末勝英課長:
「この事件は被害者が交友関係が広いことと犯人の動機が絞り切れていないことがあげられます。県民の不安感払しょくするためにも必ず検挙するという強い信念のもとで県警の総力を挙げて全力で捜査を続けています。」

今月20日には県警の公式YouTubeチャンネルで動画を公開しました。事件の風化を防ぎ若い世代にも周知して情報を集めることが目的です。

宗末捜査一課長:
「当県警としましてはこの事件を最重要課題として位置づけて被害者と遺族の無念をぜひとも晴らしたい。」

今月23日。

リポート:
「16年前に起きた未解決殺人事件の現場近くにある久安2丁目の交差点です。こちらでは毎年遺族などが街頭活動を行っていますが今年はこの雨の影響で中止となりました。」

23日、実施する予定だった街頭活動は雨のため、中止されましたが、清勝さんの両親は秋頃に再び街頭に立つ予定です。

充史さん:
「望むことは1つですから犯人の検挙です。」
真由美さん:
「会いたいですよ清勝に会いたい。それだけ。清勝と話したい。それだけのために頑張って生きているかな」

あの日からまもなく16年。たった一つの手がかりが清勝さんの無念を晴らすことを遺族は信じています。

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