実写版『ONE PIECE』は冬島を経てアラバスタへ? 重要キャラ続々参戦のシーズン2に期待

麦わらの一味の冒険がまた始まる。Netflixオリジナル実写ドラマシリーズ『ONE PIECE』のシーズン2がついに始動。ルフィたちの前に立ちふさがる強敵で、原作でも人気の秘密犯罪組織バロックワークスの登場が、Mr.3やMr.9、Mr.5、ミス・バレンタインの4人のキャストと共に明かされた。こうなると気になるのが、シーズン2で描かれるストーリーの全容だ。バロックワークスとの邂逅からチョッパーとの出会いを経てアラバスタ王国をめぐる壮絶な戦いへと至るとしたら、他に登場するあのキャラクターは誰が演じるのか? そしてどれだけのドラマが繰り広げられるのか? 続報が待たれる。

2023年8月31日に配信がスタートしたNetflixの実写ドラマ版『ONE PIECE』は、主人公のモンキー・D・ルフィやロロノア・ゾロ、ナミ、ウソップ、そしてサンジといった麦わらの一味が実在したら、こういった感じになるだろうといった想像を現実のものとして見せてくれた。尾田栄一郎による漫画や、それを原作としたアニメに描かれた驚異的なアクションも完璧なまでに再現され、世界中から絶賛をもって迎えられた。

それだけに、程なくして制作が発表されたシーズン2でも、どれだけ原作のイメージを持ったキャラクターたちが、原作に負けない再現度や暴れっぷりを見せてくれるかを期待する声も多く出た。そして今回、シーズン2の近日配信開始の情報とともに、バロックワークスの構成員のうち4人のビジュアルとキャスティングが公表された。

原作ではミス・ウェンズデーと共にルフィたちの前に現れるMr.9を演じるのは、ドラマ『レイズド・バイ・ウルヴス/神なき惑星』などに出演する新星ダニエル・ラスカー。そしてMr.5を演じるのは、ドラマ『BATWOMAN/バットウーマン』で知られるキャムラス・ジョンソン。これまでのキャラクターたちと同様に、それぞれの役にハマった姿を見せてくれることだろう。

Mr.5のパートナーとなるミス・バレンタインには、ドラマ『ウォリアー』などで存在感を放っているジャザラ・ジャスリンが扮する。こちらも、ポートレートの表情や雰囲気が素のままでミス・バレンタインといった雰囲気を漂わせている。そして、バロックワークスの中でも人気が高く、原作では『ONE PIECE』というシリーズを通して強い存在感を見せることになるMr.3に、実力俳優のデヴィッド・ダストマルチャンの起用が発表された。

映画『アントマン』シリーズ3作品や『ブレードランナー 2049』『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』『DUNE/デューン 砂の惑星』『オッペンハイマー』などハリウッドの超大作に次々出演する俳優だけに、Mr.3への起用も納得できる。悪党でありながらどこか憎めない雰囲気を漂わせているキャラクターには、ダストマルチャンの演技巧者ぶりが大いに発揮されることだろう。

こうした4人の登場が、そのままバロックワークスに所属する他の構成員たちの登場に繋がるという確約はないが、原作の流れから想像するなら、アラバスタ編までは進むだろうと予想できる。シーズン1の全8話で、一気にアーロンとの戦いまで進め、原作で100話分ある「東の海(イーストブルー)編」をほぼ描いた実写ドラマ版。シーズン2も同じペースで進むとしたら、グランドラインへと突入した麦わらの一味と、巨大なクジラ、ラブーンとの出会いがまずあって、そこからウイスキーピークへと向かいバロックワークスと激突し、ミス・ウェンズデーとの繋がりからアラバスタ王国を巡る陰謀との戦いへと至る可能性は高い。

「ONE PIECE」続編制作決定 - Netflix Japan
その過程では、麦わらの一味に欠かせないトニートニー・チョッパーと出会う“冬島”でのエピソードも登場しそうだ。実写ドラマ版『ONE PIECE』の続編制作を発表した映像では、原作者の尾田が「麦わらの一味にも優秀な“船医”が必要になってくる気がしますね」と言って、チョッパーを描き、登場を予感させた。トナカイが“ヒトヒトの実”で変化したキャラクターだけに、人間が演じるというよりはシーズン1のアーロンのような特殊メイクなり、CGの合成なりが行われることになりそう。そのアーロンも期待通りのビジュアルだっただけに、チョッパーの再現度も愛らしさも含めて期待したくなる。

問題はその他のキャラクターたちだ。これから実写ドラマで『ONE PIECE』という物語を楽しんでいく人もいるため詳細は明かせないが、Mr.9が出てくる以上はパートナーとして不可欠なミス・ウェンズデーの登場は避けがたい。誰がどのような姿で演じるかは、シリーズが以後も続いてく上で重要だ。同じことはバロックワークスの副社長を務めるミス・オールサンデーにも言える。彼女もまた『ONE PIECE』というシリーズにとって最重要なキャラクター。風貌も佇まいも独特なものを持っているだけに、誰がどのように演じるかが今から気になって仕方がない。

そしてバロックワークスを率いるMr.0。ストーリーが進んで明らかにされる正体にも驚かされるが、ルフィとの戦いぶりをどう描くかにも関心が向かう。“ゴムゴムの実”の能力を持ったルフィの手足がどこまでも伸びる描写を見事に描ききった実写ドラマ版の実力なら、シーズン1でもお目にかかれなかった驚異的なバトルシーンを見せてくれるはずだ。

あとは日本語吹き替え版の声。ルフィの田中真弓やゾロの中井和哉、ナミの岡村明美といったアニメ版からそのまま引き継いだ声優たちの演技が、そっくりな見た目のキャラクターたちをさらになじみのある存在へと引き上げた。こうなるとシーズン2でも同じようなキャスティングを期待したいところ。チョッパーは大谷育江に代わる存在はいないとして、Mr.3はアニメと同じ檜山修之か、その後に出てくるミス・オールサンデーやMr.0もあの人たちなのか。今後の発表を待ちたい。

シーズン1の時点で実写ドラマ版『ONE PIECE』は、世界93カ国でTOP10入りし、46カ国でTOP1を獲得するという偉業を成し遂げた。確かに物語自体も面白かったし、アクションも見どころ満載だったが、『ONE PIECE』の人気が日本で国民的になっていったのは、チョッパーの登場やアラバスタ編での激闘などを経てから。つまりは圧倒的な面白さにあふれたシリーズということで、それらが描かれることになるだろうシーズン2が起こすだろう反響は、シーズン1の比ではないかもしれない。

そんなシーズン2を今、世界中が待っている。
(文=タニグチリウイチ)

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