新NISAで資産運用するための余裕資金は「家計管理」で捻出する!

まずは家計を見直そう

新NISAが始まって約半年が経ちました。ニュースやSNSなどを見て、「早く新NISAで投資しなければ」「投資資金を増やしたほうがいいのでは」などと焦っている人もいるかもしれません。

ただ、資産運用の前に考えるべきは家計管理です。自分の家計を知ることなく、焦って投資するのは避けてください。

家計管理とは、収入と支出のバランスが理想的な状態となるように整えることです。家計管理をすれば、将来のライフイベントやもしもの場合に必要となるお金に関する不安を軽減することができます。

さらに資産運用にも無理なく取り組めるようになります。収入と支出を把握し、家計を改善すれば、資産運用に使えるお金を増やせるかもしれません。

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まずは「生活予備資金」を貯める

資産運用に使えるお金をどのように把握すればよいでしょうか。

生活予備資金を知る

【写真2枚】1枚目/家計の見直し「生活予備資金を知る」、2枚目/お金の使い方を見直す

第一ステップは「生活予備資金」を知ることです。

病気や失業、災害など万一のことがあったとき、当座のお金がなければ、生活が立ち行かなくなってしまいます。生活予備資金とは不測の事態などに備えるためのお金です。

生活予備資金によって、緊急の出費や、結婚や子どもの入学といった近い将来のライフイベントに備えます。目安は、最低限の生活に必要な月額費用の3〜6カ月分と、近い将来に使う予定があるお金を足した金額です。

資産運用にあてるお金を考える

第二ステップとして、資産運用のためのお金を考えます。将来に向けた資産運用は、10年、20年と長期で取り組みます。このため、しばらく使わない予定の「余裕資金」が元手になります。第一ステップで考えた「生活予備資金」は、資産運用にはまわさないことが大切です。

貯金を見直した結果、実は余裕資金がなかった、あるいは想定より少なかったという人もいるかもしれません。こうした場合は、家計を改善する必要があります。

家計を改善する方法は「支出を減らす」「収入を増やす」のいずれか(あるいはその両方)です。この二つ以外に家計改善の道はありません。

「大きな支出」を見直すのがポイント

(参考)金融庁の資料でも「お金の使い方」に言及

支出を減らすポイントは、「大きな支出」かつ「固定費」を見直すことです。家計の中でも金額が大きく、毎月のように出ていく項目は、一度見直すと中期的に大きな効果を得られます。たとえば生命保険や住宅、車、光熱費などです。

もちろんこの条件に当てはまるからといって、考え無しに支出を減らすことはおすすめしません。たとえば家賃を下げようと駅から遠い場所に引っ越せば、家計は改善できますが、通勤時間が長くなるなどライフスタイルに影響が出ます。

優先順位の高い項目はそのまま維持し、優先順位の低い項目を見直すといった工夫が必要です。たとえば「住む場所は変えたくないものの、あまり乗っていない車は手放してカーシェアに切り替える」といった考え方です。気の進まない飲み会など、自分にとって必要だと思えない出費を削るのもいいでしょう。

家計改善というと「支出を減らす」ことが注目されがちですが、「収入を増やす」のも重要なポイントです。今いる会社で成果を出して評価を上げたり、資格を取得したりすることで、給与が上がる場合があります。また、自分の能力をより活かせるよう転職や副業を考えるのも一つの手です。

余裕資金を活用して将来に備える

「人生100年時代」という言葉が示すように、長寿化の進行によって、老後の生活資金を確保する必要性がより高まっています。小さな子供がいれば、大学入学などで大きな出費が必要になることもあります。

家計管理によって確保した「余裕資金」を資産運用にまわせば、長い目で資産を増やすことができるでしょう。資産運用をうまく行い、より豊かな将来を目指してください。

参考資料

  • 金融庁「基礎から学べる金融ガイド」

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