「日本がうらやましい…」元韓国女子代表レジェンドが“世界準V”の日本女子バレーに羨望の眼差し!自国の現状を「危機であり深刻」と憂う【ネーションズリーグ】

現地6月23日、タイ・バンコクで開催された女子バレーボール・ネーションズリーグ(VNL)決勝で、世界ランキング6位の日本女子代表は同1位のイタリアと対戦した。2セットを先取されてから第3セットを制したものの、セットカウント1-3(17-25、17-25、25-21、20-25)で惜しくも敗北。それでもVNLで初の銀メダルを獲得し、大会を通したチームパフォーマンスは国内外で高い評価を得た。

韓国テレビ局の解説者として現地入りしていたのが、元韓国女子バレーボール代表のレジェンド、ハン・ユミさんだ。パワフルなアウトサイドヒッターとして鳴らしたハンさんは2012年のロンドン五輪で母国のベスト4進出に貢献するなど、長きに渡って韓国女子バレーの隆盛に寄与した名手である。

ハンさんは大会後に自身のインスタグラムを更新し、「最終結果は優勝がイタリア、準優勝が日本、3位がポーランド。すべてのチームと選手のみなさん、お疲れさまでした」と冒頭で労い、「2度目の優勝を飾ったイタリアと、2年連続で3位のポーランドにおめでとうと言いたい。そして日本です。VNLで初めてのメダルを獲得しましたね。祝福したい想いと同時に、うらやましいと感じてしまいます」と正直な気持ちを吐露した。

韓国女子代表は今大会、2勝10敗で16チーム中15位と低迷。男子代表にいたっては今大会にエントリーさえしておらず、来季出場に向けたアジア予選で敗退したばかりだ。ハンさんは「現在、日本のバレーボールは男女ともにオリンピック出場権を獲得し、VNLでも良い成績を収めています。韓国のバレーボールが国際大会で2チームが躍動するのはきわめて困難な情勢です」と嘆いた。
そのうえで「誰もが危機的な現状を心配しており、その深刻さを理解しているはずなのに、何も変わっていません」と苦言を呈しつつ、「早急に動くべきなのが正しいかどうかは分かりません。でもいまは、個人やクラブの利己的な考えではなく、バレーボール界全体で発展について議論し、共存共栄を図るべきだと思うのです」と提案。「みんなが努力すれば、当たり前になるはずです」と期待を込めた。

韓国スポーツ界は岐路に立たされている。パリ五輪には男女バレーボールのみならず、サッカーやバスケットボール、ホッケーなど花形の団体競技がことごとく予選で敗退した。本大会に出場するのは女子ハンドボールのみで、地元メディアは「韓国がパリに送り込む選手団はわずか119名である。これは東京五輪の半分以下の人数だ」と憂いている。

構成●THE DIGEST編集部

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