【阪神】岡田監督が打撃練習で感じ取った虎打線復活の兆し「良かった。久しぶりになあ」とご満悦

試合前の打撃練習を注視していた岡田監督

それでも虎の知将は敗戦をプラスに受け止めた。阪神は25日の中日戦(倉敷)に0―1で今季10度目の零封負け。虎党にとってはフラストレーションのたまる1戦となったが、岡田彰布監督(66)は「今日はあれや、内容的には最近ではまだ良かったよ。今までのゼロとはちょっと違うよな」と振り返り、その表情は心なしか明るかった。

これまで再三にわたって低空飛行の打線に苦言を呈してきたが、この日は違った。4回には先頭・森下が中前打で出塁するも、大山は遊併殺打。さらに二死から前川、佐藤輝の連打が飛び出したものの梅野が遊ゴロに倒れ、先制点を奪えず。最大の好機が無得点に終わり、試合後の指揮官からは厳しい発言が飛び出しそうな場面だったが「あんまり悪い打球じゃなかったけどな、大山のもな。正面行くということはやっぱりな、向こうのボールが良かったんやろな」と評し、ナインを責めず相手先発・小笠原をたたえた。

実は試合前のチーム練習でも、これまでと違った動きがあった。普段ならば打撃練習の中盤でベンチに下がるが、この日は最終組の植田、熊谷、豊田まで熟視。中日3連戦前に「(スタンドに打球が飛び込む際に警備員が)ピーピー笛吹いてるけど、うちの打球はみんな反対方向の内野席の打球やないか。練習からそんなに差し込まれてたら、試合で打てるわけないわ」と指摘していたが、同日試合前の打撃練習では詰まった打球やケージから出ないファウルも減少し「良かった。久しぶりになあ」とご満悦だった。

その上で無得点に終わった打線に対し「どう明日(26日)からな、どういう感じでできるかやろな」と次戦以降の奮起を促すことも忘れなかった。野手陣の復活の兆しが見えたのか、負け試合では〝不気味〟とも言えるほど上機嫌だった指揮官。猛虎の面々は、その期待に応えることができるのか、果たして――。

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