いまの給与に満足していますか?〈年収1,200万円〉大手金融・51歳・勝ち組サラリーマンの「残念な回答」

(※写真はイメージです/PIXTA)

「もっと給与あがらないかな……」という愚痴はサラリーマンの定番。いつかは満足いく給与を手にしたいと誰もが願っているでしょう。では、いったいいくら稼げば満足できるようになるのでしょうか。サラリーマンの上位10%に入る、年収1,000万円の大台にのる勝ち組なら……みていきましょう。

サラリーマンといっても…給与格差はスゴイ

厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』によると、サラリーマン(正社員、平均年齢43.65歳)の平均給与は、月収で36.3万円、賞与も含めた年収は596.9万円です。20代前半では23万円ほどだった月収は、年齢と共に上昇し、60歳定年前に44万円とピークに達します。

【年齢別「サラリーマン」の給与】

20~24歳:23.2万円/359.5万円

25~29歳:27.1万円/449.8万円

30~34歳:30.7万円/516.7万円

35~39歳:34.5万円/580.8万円

40~44歳:38.0万円/631.3万円

45~49歳:40.6万円/670.9万円

50~54歳:42.8万円/707.2万円

55~59歳:44.1万円/725.5万円

60~64歳:37.2万円/571.5万円

※数値左より月収/年収

サラリーマンの給与は、条件が変われば大きく変わります。まず学歴。高校卒(平均年齢44.6歳)の平均給与は月収で31.6万円、年収で518.8万円。大学卒(平均年齢42.6歳)の平均給与は、月収で40.8万円、年収で673.6万円。学歴により、月収で9万円、年収で150万円の差が生じています。

会社規模ではどうでしょう。従業員10~99人企業勤務(平均年齢45.9歳)の平均給与は、月収で32.6万円、年収で492.4万円。一方、従業員1,000人以上企業勤務(平均年齢42.3歳)の平均給与は、月収で40.8歳、年収で710.2万円。企業規模により、月収で8万円、年収で200万円強の差が生じています。

業界ではどう変わるでしょうか。たとえば金融、保険業(平均年齢43.1歳)の平均給与は、月収で50.8万円、年収で877.5万円。一方、宿泊・飲食サービス業(平均年齢43.3歳)の平均給与は、月収で30.6万円、年収で454.0万円。業界により、月収で20万円、年収で400万円もの差が生じています。

サラリーマン、高給であれば満足できるのか?

ここに、「大卒」×「大企業」×「金融業界」という、高給の条件が揃った51歳になるサラリーマンがいます。月収は67.6万円、年収は1,192万円。そんなサラリーマンに質問。

――いまの給与に満足していますか?

――満足していますよ、結構、もらっているんで

年収1,200万円といえば、全サラリーマンの上位10%に入る誰もが勝ち組と認めるサラリーマン。トップの人にはそんな答えに期待したいところです。しかし「満足なんてしてないです」という答えが返ってくる可能性のほうが高いそうです。

株式会社リクルートマネジメントソリューションズが行った『働く人の本音調査2024』によると、「今の年収に満足している」に対して「当てはまる=今の年収に満足している」は27.2%。一方で「当てはまらない=今の年収に満足していない」は45.2%と、給与に不満を抱いているサラリーマンのほうが圧倒的に多いことが分かりました。

さらにサラリーマン史上、給与がピークに達する50代に限ってみていくと、「当てはまる」は29.2%、「当てはまらない」は41.4%。サラリーマンは高給といえる水準に達しても、今の給与に満足できていない人のほうが圧倒的に多いことが分かります。

給与に対する不満。その理由はさまざまでしょうが、ひとつ考えられるのが天引き額。たとえば先ほどの高給取りサラリーマン。年収1,200万円に対し、手取りは820万円ほど。400万円近くは、税金やら社会保障費やらでどこかにいってしまいます。さらに稼げばと思うかもしれませんが、稼げば稼ぐほど重くなる税負担。所得税の税率は、課税所得「695万~ 8,99.9万円」が23%、「900万~1,799.9万円」が33%、「1,800万~3,999.9万円」が40%、これを超えると45%に達します。

日本のサラリーマン。「稼ぐほど増えていく負担額」を前に「いまの給与に満足しています」とはとても答えられない……これが現実です。

[参照]

厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ『働く人の本音調査2024』

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