【マイホームの間取り提案】後悔しないランドリールームの作り方!収納や作業台設置のポイントを解説

絶対に失敗したくない人に向けて住宅のプロがアドバイス

近年では住宅の中に「洗う、干す、取り込む、アイロンをかける、たたむ」といった洗濯にともなう一連の作業をすべて一室で行うことができるランドリールームが備わった家が増えているようです。

とくに雨が多い梅雨の時期やジメジメと湿った時期、台風シーズン、花粉が飛散する時期などには、住まいの中にランドリールームがあると非常に重宝します。

日本気象協会「WeatherX」によると、今年は梅雨が遅れましたが、梅雨明けが後ろにずれ込むなどの関係性はないのだとか。

また、梅雨の期間が短くても、梅雨期間の総雨量は平年を上回る可能性があるそうです。

梅雨入り前から短時間に大雨が降ったり、梅雨入り早々にもまとまった雨が降ったりする可能性があるので注意が必要です。

さらに近年は梅雨の時期以外でも、温室効果ガス排出量の増加に伴う地球温暖化の影響で、1時間の降水量が50mmを超える強雨の発生件数が増加しているといわれています。

このことから、家の中にランドリールームをつくる人が今後も増えることが予想されます。

一方で、ランドリールームを作ったことで後悔している方も少なくないようです。

そこで本記事ではランドリールームにまつわる「後悔エピソード」や後悔しないランドリールームのポイントを紹介したいと思います。

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ランドリールームにまつわる「後悔エピソード」5選

【写真1枚目/全3枚】ランドリールームにまつわる「後悔エピソード」5選!あれば助かる「意外な」設備とは?次ページへ続く

ここで紹介するのは、実際にランドリールームを作って後悔した方の体験談になります。

ぜひ住まいづくりの参考にしてください。

間取りの後悔①洗濯物を干すスペースが足りなかった

せっかくランドリールームを作っても狭すぎて洗濯物を全て干すことができず、結局他の部屋に干していることが少なくないようです。

そうなってしまうと洗面室やリビングルームの中まで洗濯物で一杯になってしまうことがあります。

あらかじめ部屋の広さをよく検討しなかったために、このような後悔をすることになるケースが多いといえるでしょう。

どうしてもスペースの確保が難しい場合には、以下のような方法があります。

  • ランドリールームに隣接する浴室に浴室乾燥機を設置する
  • 昇降タイプの物干しを設置して縦の空間を無駄なく利用できるようにする
  • 洗濯機と乾燥機が一体になった洗濯乾燥機を利用する

限られた空間をうまく活用できるようにしましょう。

間取りの後悔②ファミリークロゼットを設置すればよかった

洗濯物をたたまずに、ハンガーのままクロゼットにしまいたいという声をよく耳にします。

ランドリールームは洗濯物を「洗う→干す→たたむ」といった一連の作業を集約して行うことができるのが最大のメリットですが、ランドリールームの近くに家族全員の衣類をまとめて収納できるファミリークロゼットがあれば、洗濯にまつわる家事の時間をさらに短縮することができます。

ファミリークロゼットの広さの目安は家族の人数や収納するモノによって異なりますが、衣類や荷物の収納スペースとして利用する場合には、夫婦2人の場合には2畳程度、夫婦と子ども2人の4人家族の場合には3~3.5畳程度が目安になります。

間取りの後悔③ランドリールーム内に家事カウンターを設ければよかった

間取りの後悔③ランドリールーム内に家事カウンターを設ければよかった

ランドリールーム内に家事カウンターがあると、洗濯物をたたんだりアイロン掛けができたりして非常に便利です。

しかし本当に必要なものなのかどうかを事前に良く考えて設置しないと、設置後に邪魔になってしまうことがあります。

「誰が何のためにどのくらいの頻度で使用するのか」をよく考えて、サイズや設置する高さなどを決めることが大切です。

また、必要に応じて使わない時には折りたたんで収納できるように、折りたたみ式のカウンターにすることもできます。

間取りの後悔④ランドリールーム内に電動昇降物干し竿をつければよかった

電動昇降物干し竿とは洗濯物を掛けたままリモコン操作で竿を昇降できる室内物干しのことで、手動式のものもあります。

中でも電動タイプのものはスイッチひとつで竿が昇降するため、力をかけなくても楽に操作することができるので、高齢者や車いすを利用している方にもおすすめです。

間取りの後悔⑤ランドリールーム内にスロップシンクを設置すればよかった

スロップシンクとは主に掃除用の大型の流し台のことをいい、泥だらけの運動靴や雑巾、モップなど、洗面台やキッチンのシンクで洗うのを躊躇してしまうようなものを洗う時に重宝します。

つけ置きや下洗いをしないと汚れが落ちない場合や掃除道具を洗浄したい場合には、スロップシンクがあれば気軽に室内で洗い物をすることができるでしょう。

次章では、自宅にランドリールームを設置したい方に向けて「後悔しないランドリールームのポイント」を解説します。

後悔しないランドリールームのポイント

後悔しないランドリールームのポイントとは?

近年では建売住宅でもランドリールームがある間取りが多くなっていますが、ランドリールームは適切な広さや機能、設備が揃わっていなければそのメリットを十分に活かしきることができません。

そしてせっかく「洗う→干す→たたむ」といった作業が一つの部屋で完結したとしても、2階にある各個室のクロゼットまで衣類を運ぶとなると結局家事動線が長くなってしまうのであまり意味がありません。

したがって、関連するスペースとの位置関係やつながりを考えることが重要になります。

将来的に家族構成が変わって小さな子どもがいなくなるとランドリールームが不要になってしまうこともあります。

少し手を入れてリフォームするだけで他の用途にも使えるようにしておくことが大切です。

まとめ

ランドリールームを作る際には適切な広さや機能、設備を備えるとともに、通気性や風通しを良くすることが重要になります。

また、除湿器も設置しておいた方がよいでしょう。

さらに作業動線を良くするためには、回遊できる設計にして行き止まりにならないようにすることが大切です。

建物の面積に余裕があるからといって決して安易にプランニングせずに、しっかりとした動線計画を立てることが重要です。

参考資料

  • 国土交通省「気候変動を踏まえた治水計画のあり方 提言~参考資料~」
  • WeatherX「2024年の梅雨入り予想 関東甲信など記録的に遅い梅雨入りか、降水量で売り上げに変化のある商品は?」

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