約9割の親が英語教育の重要性を認識、経済的な負担が障壁に

by 本多 恵

約9割の親が「英語教育は重要だと思う」と回答

株式会社学研ホールディングスのグループ会社 株式会社ベンドは、運営する「スキルアップ研究所」にて、「子供への英語教育の意欲調査」を実施し、結果を公開した。同調査によると、約9割の親が英語教育の重要性を認識している一方で、経済的負担が障壁となっている現状が明らかになった。

調査対象は、全国の子供を持つ20代から50代の親300名で、内訳は子供に英語教育の機会を与えている親が100名、機会を与えていない親が200名。2024年5月17日から5月24日の期間に、インターネットで調査を実施した。

子供が自然に英語を習得しているので、ほかの親にも勧めたい

「英語教育は重要だと思いますか」という質問に対し、「はい」と回答した人は88.3%に上り、大多数の親が英語教育の重要性を高く認識していることがわかった。現在、英語教育の機会を子供に与えている親は、「習い事としての英語教育に対する満足度を教えてください」という質問に対して33%が「満足」と回答し、「どちらかといえば満足」の47%と合わせると8割以上が満足の意向を示した。

また、「実際に自分の子供を通わせたうえで、ほかの親に習い事としての英語教育を勧めたいと思いますか」という質問に対し、85%が「はい」と回答。一方で「いいえ」は15%にとどまった。同研究所は、「満足度と合わせて、子供への英語教育の効果があることを親が認識している」と分析している。

「英語教育に対する満足度」について、8割を超える親が満足していることがわかった
ほかの親に子供の習い事として「英語教育を勧めたい」と回答した親は85%

ほかの親にも英語教育を勧めたいと考えている親に理由を聞いたところ、54.9%が「子供が英語を楽しみながら自然に習得できている様子を見て、習い事としての英語教育の効果を実感した」と回答。次いで、「英語力が付いたことで、子供の自信が生まれ積極性や探求心が育ってきた」(24.9%)、「異文化への理解が深まり、多様性を受け入れる寛容な態度が育まれた」(20.9%)といった回答が寄せられた。

ほかの親にも英語教育を勧めたいと思う理由

経済的な事情が英語教育の実施を左右

一方、英語教育を実施するうえで金銭的な課題も見過ごせない。英語教育の機会を子供に与え、ほかの親には英語教育を勧めたくないと考えている15人に理由を聞いたところ、最も多かった回答は「費用面での負担が家計を圧迫した」の46.7%であった。

ほかの親に英語教育を勧めたくないと思う理由

英語教育の機会を与えている世帯の月額負担額を見ると、1万円未満が55%、次いで1万円以上3万円未満が38%という結果になっている。また、英語教育未実施の理由として、経済的負担を挙げた親に「費用面での問題が解消されれば英語教育の機会を与えたいと思うか」と質問したところ、87.5%が「はい」と回答した。

英語教育の機会を与えている世帯の月額負担額
習い事として子供に英語教育の機会を与えていない理由

これらの結果を受け、同研究所は経済的な障壁が取り除かれれば、子供への英語教育の実施が大きく広がる可能性が高いことがデータから示唆されていると分析。英語教育の普及に向けては、経済的な門戸を広げる施策が不可欠であるとしている。公的支援の拡充や優遇措置の導入、民間サービスの低価格化など、さまざまな角度からの取り組みが求められると表明した。

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