菊池風磨がMCで活かす自身の経験 川島明も絶賛するバラエティ力で次のステップへ

6月27日より『別に知らんでええねんけど…誰かに話したくなる11個のこと』(読売テレビ系)の放送がスタートする。番組MCを務めるのは、麒麟の川島明と、timeleszの菊池風磨だ。多数のゲストが出演する朝の情報番組『ラヴィット!』(TBS系)の総合司会を務め、安定したトーク力と出演芸人のボケを華麗に捌く抜群のツッコミ力を誇る川島の隣で、菊池がどのような化学反応を起こすのか、期待が寄せられている。

もともとバラエティ番組への出演経験も多く、ドッキリ番組で体当たりする姿の印象も強い菊池。最近は番組MCとしての起用も目覚ましい。本稿では、菊池のMC抜擢が増え続けている理由を分析してみたい。

近年のバラエティ出演を振り返ると、菊池にとって新たな挑戦となったのが、『THEバディ ~最強の2人を決めるクイズショー~』(日本テレビ系)だろう。本番組は、我こそは最強のバディ=2人だと豪語するゲスト3組を招待し、2人にしか解けないであろうクイズに挑戦していく新感覚クイズ番組だ。菊池にとって、クイズ番組の司会は初の試みだった。

本番組が他の番組と異なる点としてもう1つ興味深いのは、パートナーとなるMC芸人が2週ごとに変わる点。全6回の放送の中で、見取り図の盛山晋太郎とニューヨークの屋敷裕政、そしてアルコ&ピースの平子祐希と、菊池は3名のバディMCとコラボレーションを果たした。通常であれば、収録回数を重ねて少しずつパートナーと息を合わせられるようになることもあるだろうが、パートナーが2回ごとに変わる環境は、大きなチャレンジだったはずだ。

しかしそんな環境でも、菊池にしかできない芸当で番組を盛り上げた。番組冒頭の決めゼリフは本職のキラキラアイドルな一面が光り、ゲストと一緒にクイズに参加して自身も楽しみながら進行をこなしていく。時には体を張った場面も作りながら笑いを誘ったり、こうして臨機応変に対応できるのは、その根底に安定したトークスキルや視野の広さがあるからこそ。柔軟な対応力は、まさに菊池の持ち味と言っていいだろう。

菊池がMCを担う番組として他に挙げられるのは、シソンヌの長谷川忍とタッグを組んだ『何か“オモシロいコト”ないの?』(フジテレビ系/以下、『何かオモ』)だ。本番組は、「ゲストのトップ女優を笑わせるべく、毎週さまざまな“オモシロい”(…かもしれない)企画に挑戦していく新バラエティー」である。番組内容は、長谷川から100回ツッコミを受けられなければ終わらないという、長谷川にとってもゲストにとってもハードな「ツッコミ100回受けられるか?」を始め、おかずをワンバウンドさせた白ご飯を食べておかずの種類を当てる、「ワンバンライス」など、目新しい企画も目白押しだ。

『何かオモ』を観ていると、番組ゲストがより際立つように、長谷川と息を合わせて黒子に徹している菊池の姿勢が分かってくる。特に「ツッコミ100回受けられるか?」では、ゲストがボケやすいようにアシストしたり、ボケにノって笑いを膨らませたりと、さりげない立ち回りが見事だ。菊池自身が本来スポットライトを浴びるアイドルの立場であるにもかかわらず、うまく身を引き共演者を立てることができるのも、MCとしての信頼につながっているに違いない。

そんな菊池の活躍はすでに川島も気づいているようで、菊池がゲストとして登場した6月15日放送のラジオ番組『川島明 そもそもの話』(TOKYO FM)では、川島が菊池のバラエティ力を褒めちぎっていたのも印象的だった。「(川島の)クセとか考えてることを読み取ることが上手い」「風磨くんは芸人として思ってる」など、絶賛の数々に「マジっすか! 激アツっすね!」と嬉しさを露わにした菊池。一見クールに見えるが、素直に感情を表現する人間らしさも菊池の大きな魅力の1つだ。

敬愛する川島とのMCタッグ実現を目前に、俄然気合が入った様子。共演多数の彼らが創り出す番組は、毎週のようにお茶の間を賑わせるだろう。活躍の場を広げ続ける菊池が、今後どのように番組を彩っていくのか、期待で胸が熱くなる。

(文=神田佳恵)

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