【Excel】ピボットテーブルのフィルター・列・行・値って何? 基本的な考え方を知ろう/

by 今井 孝

ピボットテーブルの考え方を覚えておこう

[フィルター][列][行][値]? 何を指定するのかわからない!

「ピボットテーブル」を実際に作ろうとした時、困ったことがありませんか? 操作としては[挿入]タブから[ピボットテーブル]をクリックするだけですが、その先の操作で悩む人は多いようです。

あるチケットの販売数と販売金額をまとめた表です。[挿入]タブにある[ピボットテーブル]ボタンをクリックすると……
このような画面が表示されます。画面の右側には[フィルター]、[列]、[行]、[値]の領域が並んでいます

何となく集計したい値をドラッグして、試行錯誤しても構わないのですが、ピボットテーブルを作成するうえでの考え方は知っておきたいものです。今回は、ピボットテーブルを使った集計の基本を振り返ってみましょう。

集計値と分類を探す

最初に何の値を集計したいのかを考えます。集計対象の値が、どの列に含まれているのかということです。以下の例では[販売数]や[販売金額]が集計の対象となります。

また、集計した値を分類する基準も考えます。[席]列と[販売店]列で分類できることは容易に想像できますね。[日付]列は分類と考えることもできますし、時間軸のフィルターとしても利用できます。

[販売数]列(①)にはチケットの販売数、[販売金額]列(②)には販売金額が入力されています。[席]列(③)と[販売店]列(④)で分類できます

これらをふまえて、ピボットテーブルを作成する時の動作の違いを見ていきましょう。

集計対象と分類を指定する

販売金額をピボットテーブルで集計してみます。[販売金額]列(フィールド)を[値]にドラッグすると、合計値のみが表示されます。これは、何も分類しない単純な合計値です。SUM関数の結果と同じですね。

表内の任意セルを選択し、(⑤)、[挿入]タブ(⑥)にある[ピボットテーブル](⑦)をクリックします
[テーブル/範囲](⑧)は自動的に判断されます。問題があれば表をドラッグして選択し直します。ピボットテーブルを作成する場所は[新規ワークシート](⑨)が一般的です。元の表と並べたいといった意図があれば、[既存のワークシート]を選択してください。[OK](⑩)をクリックします
ピボットテーブルが作成されました。何も指定していないので、最初は何も表示されません。[ピボットテーブルのフィールド](⑪)で、列(フィールド)を[フィルター][列][行][値]にドラッグすることで、画面左側(⑫)に結果が表示されます
集計対象の[販売金額]列(フィールド)を[値]にドラッグします(⑬)
結果が表示されます(⑭)

[列]と[行]が悩みどころですが、目的によって選択します。例えば、“行見出し”として縦方向に店舗名、その横に各店舗の販売金額を並べる場合は[販売店]を[行]にドラッグします。“列見出し”として横方向に並べる場合は[列]にドラッグします。実際に操作してみましょう。

[販売店]列(フィールド)を[行]にドラッグしました(⑮)。縦方向に販売店が並び、その横に各店舗の販売金額が並びます
[販売店]列(フィールド)を[列]にドラッグした状態です(⑯)。列見出しとして店舗名が並んでいます

[席]列(フィールド)も指定すると、ピボットテーブルらしい表に仕上がってきます。どのような目的でデータを分析するのかを考えられるのが、ピボットテーブルのメリットです。1つの正解があるわけではありません。なお、不要なフィールドは画面の外にドラッグして削除できます。

[販売店]列(フィールド)を[列]、[席]列(フィールド)を[行]に指定しました
反対に[席]列(フィールド)を[列]、[販売店]列(フィールド)を[行]に指定しました

[行]には行見出しとするフィールド、[列]には列見出しとするフィールドを指定することを考えると、ただのマス目でしかなかった[ピボットテーブルのフィールド]の領域も表形式に見えてくるのではないでしょうか。

[行]は行見出し、[列]は列見出しと見立てると、表形式に見えませんか?

絞り込む情報を考えて[フィルター]を設定する

[フィルター]に指定するフィールドは、絞り込みたい情報は何かを考えて指定します。のように、店舗別、席別でまとめたなら、[販売日]を[フィルター]に設定するのが一般的でしょう。

ただ、分析の目的によって正解は異なります。例えばイベント期間中のチケットの売れ行きを調べるなら、[販売日]を[行]、[販売店]を[列]に指定して、[席]でフィルターすることが考えられます。

[席]を[列]、[販売店]を[行]に指定して、[販売日]を[フィルター]に設定しました(⑰)
[販売日]を指定すると(⑱)、集計結果が切り替わります
[販売日]を[行]、[販売店]を[列]に指定して、[席]で絞り込みました(⑱)

分析の目的によってフィールドを指定しよう

ピボットテーブルは分析の自由度が高いため、何がしたいのかわからなくなってしまうことがある機能です。目的とする表の形をイメージして、フィールドを配置してみましょう。ここでは、集計対象のフィールドから指定しましたが、先に[行]と[列]を指定しても構いません。

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