米ロ国防相が電話会談、クリミア攻撃巡り緊張 双方の発表に相違

[ワシントン 25日 ロイター] - オースティン米国防長官は25日、ロシアのベロウソフ国防相と電話会談した。ロシアが併合したクリミア半島に対する週末のウクライナによる攻撃を受けて緊張が高まっており、会談に関する両国の発表は大きく異なっている。

米国防総省は両氏がオープンな連絡手段の重要性について協議したと発表した。

同省のライダー報道官によると、会談はオースティン氏が要請した。オースティン氏とロシア国防相の電話会談は昨年3月以来。先月就任したベロウソフ氏との会談は初めてとなる。

一方、ロシア国防省によると、ベロウソフ氏はオースティン氏に対して、米国がウクライナに武器を供給し続けることの危険性について警告した。

同省は通信アプリのテレグラムで「ベロウソフ氏はウクライナ軍への米国製武器の供給を続けることで事態がさらに悪化する危険性を指摘した」と声明を発表した。

ロシアは23日、ウクライナが米国から供与されたミサイルでクリミア半島を攻撃し、子ども2人を含む4人が死亡、151人が負傷したとし、米国に責任があると非難した。

米国防総省は24日、攻撃目標の決定はウクライナが独自に行っているとの見解を示した。

米国のウクライナへの武器供給は、米議会が610億ドルの同国支援策を承認したことにより4月に再開された。米国はロシア軍がウクライナから撤退し、旧ソ連時代の国境回復というウクライナの要求へ支持を表明している。

ロシアのリャプコフ外務次官は25日、西側諸国がロシアの決意を過小評価すれば「悲劇的かつ致命的な結果を招く可能性がある」と警告した。

オースティン氏は前回のロシア国防相との電話会談で、当時の国防相ショイグ氏に対して米国製ドローン(無人機)がウクライナ近くの黒海で墜落した原因はロシア戦闘機のパイロットによる危険な行動だったと伝えた。

© ロイター