NASA、国際宇宙ステーションの船外活動を中止–宇宙服から冷却剤漏れる

米航空宇宙局(NASA)は米国時間6月24日、宇宙服から冷却剤が漏れたことを原因として、国際宇宙ステーション(ISS)での宇宙飛行士の船外活動(ExtraVehicular Activity:EVA)を中止したと発表した。ISSでのEVA用宇宙服は「船外活動ユニット」(Extravehicular Mobility Unit:EMU)と呼ばれる。

ISSでは13日にも「宇宙服の不快感」が宇宙飛行士から報告され、宇宙遊泳が中止された。これにより、今夏に予定されている3回の船外活動のスケジュールが変更され、24日に同じミッションを行う予定だった。

NASAに所属する宇宙飛行士、Tracy C. Dyson氏とMike Barratt氏は、宇宙服を内部電源に切り替えている最中に「文字通り、そこら中に水が溢れていた」と述べた。水漏れは、Dyson氏の宇宙服に搭載されている「SCU」(Service and Cooling Umbilical)と呼ばれる装置から発生したようだと報告されている。

近年のISSの宇宙遊泳では、冷却剤の漏れが何度も発生している。2022年3月には、船外活動後に宇宙飛行士のヘルメットに水が入っていることが発見され、7カ月間宇宙遊泳が中断された。2013年にはイタリア人宇宙飛行士のヘルメットが大量の水で満たされた。

エアロック内でBarratt氏(左)とDyson氏(右)を支援するJeanette Epps氏(出典:NASA TV)

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船外活動ユニット解説(JAXA有人宇宙技術部門)
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