お中元商戦本格化、手軽に調理できるグルメ人気 自分へのご褒美に購入する人も【大分県】

お中元の品定めをする買い物客=大分市府内町のトキハ本店

 お中元商戦が本格化している。各小売店には暑さをしのぐ冷菓や県産品といった定番に加え、手軽に調理できるグルメなどの贈り物が並ぶ。自分へのご褒美に購入する人も少なくないようだ。新型コロナウイルス禍を脱し、各店は売り上げ増加を狙っている。7月上旬から中旬にかけてピークを迎えそうだ。

 トキハ本店(大分市府内町)は今月6日に特設会場を設けた。ふるさとの名産を中心に、約1200点を用意している。人気は電子レンジで加熱し、すぐに食べることができるそうめん、ウナギのかば焼き、とり天など。手間のかからない物が好まれるという。

 高校時代からの友人に贈る物を見つけに来た大分市緑が丘の主婦小野伊都子(いつこ)さん(86)は「簡単に料理できる物を選びたい」と売り場を巡った。

 同店食品MD部催事ギフトグループの佐藤靖二マネジャー(55)は「相手の好みを意識した商品選びをする人が多い。形式的ではなく、親密な相手と交流するためのお中元に変わっている」と話す。

 菊家(由布市挾間町)は、県産ベリーツのパンナコッタやゼリーなどのラインアップで、平均価格帯は3千円前後。詰め合わせのセットとは別に個包装もあり、自分のためや味見で試しに買う人もいるという。

 コロナ禍を脱して人の交流は増えており、同社は昨年より売り上げの10%増を見込んでいる。店舗事業部の河野宏仁係長(39)は「直接顔を見て渡せるようになった。常温で日持ちする物を選ぶ人が多そう」と語った。

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