柔道・半谷静香(いわき出身)パラ代表内定 4大会連続

4大会連続でパラリンピック代表に内定した半谷静香=昨年11月、県立視覚支援学校

 日本視覚障害者柔道連盟は25日、パリ・パラリンピックの代表内定選手を発表し、福島県勢では女子48キロ級(全盲)で半谷静香(35)=トヨタループス、いわき市出身=が選ばれた。半谷は2012年のロンドン大会から4大会連続出場となる。

 半谷は東日大昌平高卒。生まれつき網膜色素変性症による弱視で、徐々に病気が進行し、現在は全盲の障害クラスで出場している。21年東京パラリンピックは5位となり、昨年の杭州アジアパラ大会では準優勝した。

 けが乗り越え奮闘

 パリで表彰台を狙う。4大会連続でパラリンピック出場を決めた柔道女子48キロ級(全盲)の半谷静香は過去3大会はいずれも表彰台に届かなかった。福島民友新聞社の取材に半谷は「パリではメダルを取りたい」と意気込みを語っていた。

 35歳のベテランは近年、けがと戦ってきた。22年6月に右膝前十字靱帯(じんたい)断裂で手術を受け、約1年間大会からは遠ざかった。肩も負傷するなどけがが増える中で、テーマとしたのが「力任せにやらない柔道」。けがと向き合いながら海外選手に対抗するために、体の柔軟性を意識して、練習に取り組んできた。

 その結果は昨年10月の杭州アジアパラ大会で発揮された。半谷はこの大会で銀メダルを獲得。パラリンピックの選考レースに弾みを付け、パリへの切符をつかみ取った。

 パラリンピックでは、東京大会まで障害の程度にかかわらず体重別で競われてきたが、パリ大会から視覚障害の程度に応じたクラス分けとなる。全盲クラスの半谷は「これまでは弱視の選手と一緒だったが、同等の障害同士で戦えるようになるのは有利になる」と捉える。パリへ「やってきた成長の成果を出せる大会にしたい」と話していた半谷。初の表彰台へ照準を定める。

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