代表選考大詰め、遠藤日向「信じて挑む」 パリ五輪まで1カ月

パリ五輪出場を懸けて、日本陸上に臨む遠藤日向=5月、国立競技場

 パリ五輪の開幕まで26日で1カ月となった。陸上や男子ハンドボール、バスケットボール、サッカーなどは代表発表を控えており選考は大詰めを迎えている。夢舞台を目指す福島県関係の選手たちは、最後のアピールに向けて正念場に立つ。

 パリへの切符を懸けた大会が迫る。「日本選手権では優勝を目指す。チャンスがある限り諦めない」。陸上の男子5000メートルで自身初の五輪出場を目指す遠藤日向(25)=住友電工、学法石川高卒=は、5月のセイコー・ゴールデングランプリを終えた後、五輪への思いを口にした。

 陸上は27~30日の日本選手権が五輪出場を懸けた最後の戦いだ。遠藤はこの大会で参加標準記録(13分5秒00)を突破して優勝すれば代表入りが決定する。日本選手権での五輪切符を逃した場合は、30日までのWAワールドランキングで上位42人に入ることで代表入りの可能性がある状況だ。

 ただ、遠藤にとってパリ五輪は一度、諦めた目標だった。2022年秋には左足アキレス腱(けん)痛に悩まされ、23年春まで本格的な練習ができず。さらに足の状態が回復に向かっていた中で、同年8月の世界選手権後には左足を骨折し、秋には手術を経験した。

 練習を再開したのは今年1月中旬。調子が戻らず、苦しんだ時期もあったが「パリを狙えるかもしれないところまで戻ってくることができた」と足の状態は順調に回復。セイコーグランプリでは13分20秒28で日本勢トップだった。

 ワールドランキングでは25日現在、遠藤は日本人2番手の61位につける。日本選手権では優勝や好記録が求められている。「自分の可能性を信じてチャレンジしたい」と日本選手権に向けて意気込みを語った遠藤。五輪への強い思いを胸に、最後の決戦に臨む。

 陸上の日本選手権には、パリへの切符を懸けて、男子400メートル障害で東京五輪代表の山内大夢(東邦銀行)も出場する。女子では松本奈菜子(東邦銀行)が400メートルと200メートルに出場する予定だ。陸上以外では、男子ハンドボールで笠原謙哉(聖光学院高卒)、男子バスケットボールで山ノ内勇登(会津若松市出身)、男子サッカーでチェイス・アンリ(尚志高卒)らがパリ五輪代表入りの可能性があり、生き残りを懸けて奮闘している。

 本県関係は15選手内定

 本県関係では、自転車の窪木一茂(ブリヂストン、学法石川高卒)ら計15選手がパリ五輪の日本代表に内定している。

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