暑い?ダサい?でも「ヘルメットが命救った」競輪選手が体験紹介 市岐阜商高、生徒事故多発で講話

ヘルメットの着用を実演する松岡晋乃介選手(右)=岐阜市鏡島南、市岐阜商業高校

 生徒の自転車事故が多発していることを受け、岐阜市鏡島南の市岐阜商業高校は24日、現役の競輪選手を招いてヘルメット着用を呼びかける交通安全講話を開いた。同校OBの松岡晋乃介選手が、自身のけがの体験を紹介しながら「自分の命は自分で守って」と全校生徒約470人に呼びかけた。

 講話は日本競輪選手会岐阜支部の協力で実施し、副支部長の柴田祐也選手、小坂知子選手も訪れた。

 松岡選手は、昨年10月のレースでゴール時に別の選手に追突され転倒、頭を強く打って、脳挫傷とくも膜下出血の大けがを負ったが一命を取り留めた。「時速5キロで走っていても頭を打つと致命傷になることもある。暑い、ダサいと思うかもしれないがヘルメットをかぶることをお勧めする」と語った。

 生徒が競輪の自転車に近い、固定されたロードバイクをこいで、スピードを体験する時間もあり、デジタル表示が時速90キロを表示すると、生徒らは驚いていた。

 同校では約6割の生徒が登下校に自転車を使っている。今年4月から24日までの間、自転車利用中の生徒の事故が10件発生しており、うち7件は自動車や歩行者など相手がある事故だった。多くはヘルメットを着用していたためけがは軽かったが、あらためてヘルメットの着用を呼びかけようと急きょ講話を行った。

 3年生(18)は「競輪ではすごいスピードを出すけど、ヘルメットをかぶることで転んでも助かるのだと思った」と話していた。

 昨年4月の改正道交法の施行で、自転車利用者のヘルメット着用は年齢を問わず全ての人を対象に努力義務化されている。

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