絵手紙で能登被災者励ます 教室受講生の作品を避難所で展示

福島民友新聞社を通じて避難所に届けられた絵手紙=石川県珠洲市・若山小

 福島市の日本絵手紙協会公認講師菅野マス子さん(79)が講師を務める絵手紙教室の受講者が、能登半島地震の被災者を励まそうと作品を制作した。

 25日、石川県珠洲市の避難所となっている若山小に絵手紙が展示された。避難住民が作品の数々に見入り、心を癒やしている。

 菅野さんの呼びかけで福島、伊達、桑折3市町の4教室の受講者が2月に能登半島地震の被災者に向けて絵手紙を描いた。菅野さんが3月まで本紙の読者投稿欄「窓―読者のページ」でタイトルカットの挿絵を担当していた縁で福島民友新聞社を通じて被災地に届けた。

 教室の廊下に展示されたのは、受講する50~90代の女性が花々や果物、会津の縁起物「起き上がり小法師(こぼし)」などを豊かな色彩で描いた132作品。「福島からエールを送ります」「あなたが笑うとみんなも笑うよ」「福島といっしょに歩いて行こう」などのメッセージが添えられている。

 自宅の全壊などで避難生活を続ける住民は作品を前に「遠い福島から思いを寄せてもらってありがたい」と感想を語り合っていた。

 菅野さんは「東日本大震災を経験し、被災者の痛みは分かる。福島から応援しているという気持ちを込めた」と話している。

© 福島民友新聞株式会社