大阪・関西万博 海外パビリオン、建設から運営面へ メタンガス対策は?奈良で160か国の国際会議

大阪・関西万博 国際参加者会議 (IPM / International Planning Meeting)<2024年6月25日午前 奈良市>

大阪・関西万博に参加する161の国・地域を対象にした「国際参加者会議(IPM / International Planning Meeting)」が25日、奈良コンベンションセンター(奈良市)で始まった。参加者は約590人。26日までの2日間開かれる。

大阪・関西万博「国際参加者会議」~奈良で開催

万博を運営する日本国際博覧会協会幹部によると、かねてから関連行事について大阪以外での開催の構想があったという。そこに今回、奈良県からの要望があり実現した。

◆開会式は2025年4月12日 開幕前日に

会議の冒頭であいさつした日本国際博覧会協会・石毛博行事務総長は、開会式を開幕前日の2025年4月12日(日)午後に開催すると明らかにした。 そして「準備としては、建設から運営へ大きくシフトしている。具体的な運営について話し合う段階に来ている」と述べた。
そして自見英子(はなこ)万博担当大臣は「ポスト・コロナ時代の最初の万博。世界中の人々が一堂に会し、人類の未来について考える絶好の機会になる」と期待を寄せた。

◆最後の追い込み

大阪・関西万博をめぐっては、海外パビリオンの着工の遅れが懸念されている。博覧会国際事務局(BIE)のディミトリ・ケルケンツェス事務局長は「開幕まで300日を切る中、最後の追い込みの時期に来ている。限られた時間や資源を最大限に生かし、効率的に動くこと、そして何よりも、互いに協力することが求められている」とした。
海外パビリオンのうち、「タイプA」という独自パビリオンを希望するのは51か国。このうち32か国が着工済み。しかし11か国で建設業者が決まっておらず、8か国が未着工(6月19日現在)。

◆パビリオン建設から運営面に

会議に出席したイギリスの担当者は「運営面について詳しい情報を知りたいし、各国と意見交換もしたい。より緊密な関係を築いていけば、必ず万博は成功する」と会議での目的を話した。パビリオン建設が順調な国は、運営面に目を向けている。

◆セキュリティとセーフティー、とても重要なこと…

大阪・関西万博会場の人工島・夢洲の工事現場で3月、溶接作業中の火花がメタンガスなどの可燃ガスに引火して爆発した事故があった。各国の関係者も安全対策を重要視している。カナダの担当者は「非常に重要なこと。パビリオン建設段階に来ている我が国はなおさら、セキュリティ面も含めて注意を払わなければならない。建設現場のスタッフとのコミュニケーションを密にして、情報を共有することも大切」と述べた。

会議では25日午後、防災対策に関するセッションも設けられた。事故の概要のほか、パビリオンワールド内の工事現場でのメタンガス濃度測定といった安全対策などについて、博覧会協会から説明があったという。
このセッションでは、会場の夢洲が海に浮かぶ人工島でありことから、地震や津波の際の避難方法についての質問も相次いだ。博覧会協会幹部によると、「(個々の災害の規模にもよるが)想定される津波の高さより、パビリオンエリアは高い位置にあるため、退避するのではなく、留まるほうが安全である」などと回答したという。

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