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鹿児島県立高校1年だった拓海さん=当時(15)=が2014年8月に自殺した問題を巡る裁判の和解が成立した25日、拓海さんの母親(60代)が鹿児島市のカクイックス交流センター(かごしま県民交流センター)で会見した。鹿児島地裁が示した、学校の対応を問題視する異例の和解勧告書に触れ「闘うのはやめてもいい、ここが終着点と思えた」と心境を明かした。
地裁は勧告書で「適切な対応がされていれば、悲しい結果を避けることができたと考えるのは自然」と指摘。母親は「拓海のことを踏まえた内容で、穏やかな気持ちになれた」と評価した。
問題視してきた学校の対応は、自殺直前に拓海さんが欠席した際、連絡がなかったことだ。「欠席は息子が助けを求めた唯一のサインだった」と嘆く。「同じようなことが起きてほしくなかった。欠席を知らせなかったために、重大事件につながったと分かってほしかった」。あらためて提訴した思いを強調した。
自身を責め続けた10年だったとも振り返り「気付いてあげられなかった。抱きしめて『ごめんね』と言いたかった。今でも親として情けない」と吐露。会見場には、笑顔を浮かべた拓海さんの写真を持参し「とても温かい子だった。生きていれば、人に関わる仕事をしていただろう」と涙ぐんだ。
和解内容には、生徒が欠席した場合、適切に保護者と情報共有することについて、県が教職員に指導を続けることが盛り込まれた。いじめ防止に向けた研修などの継続も約束された。母親は「二度と繰り返してほしくない」と願った。
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