奥州の料亭丸松が創業100周年 26日と7月に記念宴席

「歴代の女将に見守られながら頑張って務めたい」と意気込む松川玲子さん

 奥州市水沢川原小路の料亭丸松は今年、創業100周年を迎えた。かつては多くの専属芸者を抱え、酒肴(しゅこう)とともに芸を楽しむ場として市民らに愛されてきた。地元関係者ら約80人を招き26日に開く記念の宴席では、同店が実家の松川玲子さん(62)=奥州市水沢=が女将(おかみ)の大役を務め、料理に腕を振るう亭主の兄伊藤博さん(68)と感謝を込めてもてなす。

 博さんと玲子さんの祖父松之助さんが1924(大正13)年、そば店として創業。水沢緯度観測所(現国立天文台水沢VLBI観測所)の初代所長木村栄(ひさし)のお気に入りで、松之助さんがよくそばを届けていたという。2年後に料亭へ転換し、現在は3代目の博さんが切り盛りする。

 かつては十数人の専属芸者を抱え、地元政財界の要人らをもてなしたが、そうした形の接客は時代の変化とともに失われた。玲子さんは「芸者さんたちが運動会へ来て応援してくれたり、銭湯に連れて行ってくれたりとかわいがってくれた」と幼い頃を懐かしむ。

 記念宴席は7月26日も開催。ともに一般客を若干名受け付ける。詳細は同店(0197.23.4218)へ。

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