日本人母子の切り付け事件、中国SNSで広まる「ある不満」

中国・江蘇省蘇州市で日本人母子らが男に刃物で切り付けられた事件をめぐり、中国のSNS上である不満の声が相次いでいる。

中国・江蘇省蘇州市で日本人母子らが男に刃物で切り付けられた事件をめぐり、中国のSNS上である不満の声が相次いでいる。

蘇州市で24日、スクールバスを待っていた日本人の母親と子どもが男に刃物で切り付けられ負傷した。2人はいずれも命に別状はないという。また、止めに入って切り付けられたバス案内係の中国人女性は重体となっている。この事件では、52歳の男がすでに拘束されている。

事件について、日本では24日夜に在上海日本総領事館からの情報として報道が出る一方、中国では主要メディアが一切報じず。ただ、中国のSNSでは日本のマスコミの公式アカウントや、日本の報道を目にしたブロガーらが情報を転載したことで徐々に拡散していった。そして、25日の中国外交部の会見で報道官が言及してから、一部現地メディアでも報じられるようになった。

そうした中、中国のSNS上では「日本人母子」を強調した中国メディアの報じ方に不満の声が上がっている。

フォロワー90万のブロガーは「『日本人母子蘇州襲撃について警察発表』だって。このタイトル……日本人母子だけが負傷したのかと思ってよく読んだら、中国人も負傷していて、しかも重傷だって。その上、母子を助けるために負傷した。マスコミ関係者が批判されるのには原因がある」と自国人をないがしろにした報じ方を批判した。

また、フォロワー42万のブロガーは「負傷した中で最も容体が重いのは中国人女性。にもかかわらず、中国メディアが設定した話題(見出し)では『日本人母子』にしか言及されていない」と、フォロワー52万のブロガーは「一番重傷なのは明らかに中国人女性。それも、正義のために身を投げうって負った傷だ。にもかかわらず、報道では一切触れられない」と、フォロワー70万のブロガーは「中国籍の女性は重傷でも誰も気にせず、日本の母子は軽傷でも注目される」と、それぞれ投稿している。

このほか、フォロワー34万のブロガーは「日本のメディアの報道では中国人女性が重傷(重体)で、日本人母子は軽傷。しかし、多くの人たちは重傷の中国人女性をなおざりにしている。これでいいのか?吉林省の事件(米大学教員ら5人が負傷)でも中国人1人が負傷したことが軽んじられた。この中国人も外国人をかばおうとして負傷したのに」と、不満を示している。(翻訳・編集/北田)

© 株式会社 Record China