子どもの睡眠、質調査 茨城・桜川の小中生 県内初、東大が分析

睡眠の実態を測定するためのデバイスを身に着けた児童=桜川市真壁町長岡

東京大による子どもの睡眠実態調査が25日、茨城県桜川市の小中・義務教育学校で始まった。腕の動きを感知するデバイスを児童生徒に終日身に着けてもらい、得られたデータから同大が睡眠の質を分析する。調査結果は各校の健康指導や、市の健康増進計画に役立てられる。同調査は県内で初めて。

市内14校の児童生徒のうち、調査への参加を希望した509人が対象。同日、各校にリストバンド型のデバイスが配られた。児童生徒は1週間、デバイスを腕に着けて生活する。

市立樺穂小は全児童100人のうち57人が参加した。5年生の小林結生さん(10)は「テレビを見ていて寝るのが遅くなってしまうことがある。どんな時に睡眠が深くなるか知りたい」と興味津々。6年生の高宮杏奈さん(11)は「夜までサッカーの練習があって寝るのが遅くなってしまう。これからは夜更かししないで寝たい」と気を引き締めた。

調査は、同大大学院医学系研究科システムズ薬理学教室が2022年から始めた。腕の動きから睡眠状態と覚醒状態を判断し、睡眠中に起きてしまう「中途覚醒」の割合や、平均睡眠時間などを分析。チャートやグラフで睡眠の質を評価し、各校に提供している。全国の小中高生が対象となり、今年1月までに約7700人が参加した。

市ではこれまで小中学生にアンケートを実施し、睡眠が十分かどうか調査していた。しかし回答は自己申告のため、正確な睡眠時間が把握できないのが課題だった。健康推進課の担当者は「習い事やスマートフォンなど、さまざまな影響で全国的に子どもの睡眠が短くなっていると聞く。これを機会に睡眠が健康にもたらす影響を発信したい」と話した。

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